アメリカ人の生活水準

economy/0568 / 37 レス / 2002/07/16〜2002/08/03

1 :22:2002/07/16(Tue) 14:04
アメリカの労働者の生活水準は低下してきているのか、それともそういう統計は操作されているのか、議論しましょう。
2 :俺の名無しさん:2002/07/16(Tue) 15:29
自発的失業・自発的就労・摩擦的失業・摩擦的就労だけを考えて、
後ろ三つで賃金が、後ろ二つだけで利子率が決まるモデルを考えるとしましょう。
「摩擦的就労」の指すものは、ルイジアナ開発公社の社債の価格を吊り上げる為に、
パリのホームレスに鶴嘴を持たせて街を行進させる例のような就労を指すとします。

人口の半数が女性で、重複は除くとして出産・育児に平均8年間の期間が必要とし、
この作業は労働市場からは十分な質サービスを受けることができないという前提は
すべての国や通貨圏に該当するものと思われます。この期間を「自発的失業」に
相当すると考えると、この部分から外への資源分配は概ね利率と正の相関を持っていると
思われます。アメリカ合衆国は、高金利ですので、ざっと見て生活水準は低下してきていると
言えるでしょう。∴統計が操作されていると推測する強い根拠はないと思われます。
3 :22:2002/07/17(Wed) 09:11
アメリカは所得階層の流動性が大きく、貧困から抜け出すことがそれほど困難ではないという主張をするひともいます(「アメリカ陰謀論の嘘」川井健男著)。そうすると、総体として国民の経済力が落ちてきているということがあっても、「労働者の生活水準が低下している」とは言い切れないのではないでしょうか。アメリカの場合、低所得の労働者はずっと低所得の労働者であるというわけではないからです。
4 :俺の名無しさん:2002/07/17(Wed) 09:14
>貧困から抜け出すことがそれほど困難ではない
何が根拠ですか?
5 :俺の名無しさん:2002/07/17(Wed) 09:20
>>03
実際にはそうでないという資料が転載されている書籍を紹介しておきます。
アンドリュー ハッカー 「マネー―ますます金持ちになる人とますます貧乏になる人」心交社

著者が「リベラル」を、「つらい事実を解決策なく突きつける」という意味に取っていないのは
自己欺瞞だとも思ってしまいますが、しかし統計は確かそうな本です。
6 :22:2002/07/17(Wed) 13:32
>4、5さん
先の「アメリカ陰謀論の嘘」川井健男著(以下、「陰謀論」)には、次のようなデータがのせられています(95ページ)。

「所得階層の構成を動態的に追跡調査した統計によれば、驚くべきほどの流動性が証明されている(ミシガン大学『Panel Survey on Income Dynamics』)。所得階層を5段階に区別すると、1975年に最下層に属していた家計は、91年の時点では、次のような階層に移動していたことが発見された。20%が最上層、30%が第2層、21%が第3層、15%が第4層。最下層に残っていたのは、わずか5%であり、しかも、75年から91年まで連続して最下層にとどまっていたのは、0.5%であった。」

この統計が正しく、なおかつ91年以降もこの傾向が続いているなら、アメリカ社会は貧困から抜け出すことが比較的難しくなく、「金持ちになる人とますます貧乏になる人」に分けられていくというのとは違う社会ということになります。
7 :俺の名無しさん:2002/07/17(Wed) 13:39
水谷の本なんかいいと思う。
あと、小林 至の『僕はアメリカに幻滅した』という本もいい。
ここでは、アメリカのグローバルエコノミーの実態がかかれている。
まず、ITは労働生産性がないということ、そして労働者は賃金がさげられただけだったというもの。
景気がいいのなら賃金上昇してインフレに向かうはずがいかなかったわけですから。
そのぶん賃金をおさえられて二極化しただけということです。
8 :すりらんか:2002/07/17(Wed) 13:54
ちょつとケチつけてみますね.

労働詳しくないんだけど,それAging(年齢層効果)はどうコントロールして
るのでしょう.所得五分位自体が年齢階層別のものにちゃんとなってますか?
また実質賃金ベースで90年代は第1分位以外低下(第2は横ばい)と記憶して
るんだけどそうすると個別で見た実質賃金プロファイルは必ずしも上がってい
るのだろうか?
9 :菊千代:2002/07/18(Thu) 03:11
CPSなどを使った分析では、フラッグを用いてコーホートとして捉える(コーホート分析)ほかに、古典的な最も使われるやり方は、通常の回帰の中に(AGE)と(AGE^2)の2つの項を使って分析する。年齢によって階層を作って不均一分散をなくすためにバレットテストをしてから、年齢によって分散を補正するということはあまりやらない。
10 :22:2002/07/18(Thu) 14:27
>所得五分位自体が年齢階層別のものにちゃんとなってますか?

自分が引用した本は文庫本ですが、年齢階層とかには全く言及していません。

>個別で見た実質賃金プロファイルは必ずしも上がっているのだろうか?

所得が名目賃金なのか実質賃金なのかはわかりません。

>また実質賃金ベースで90年代は第1分位以外低下(第2は横ばい)と記憶してるんだけどそう
>すると個別で見た実質賃金プロファイルは必ずしも上がっているのだろうか?

自分の引用した本は2000年に出版されたものですが、90年代にはアメリカ人の生活水準は金持ち以外はさがったのですか?また、第一階層の実質賃金が上がったということですが、90年代に下の所得階層から第一階層に移動したということは考慮されているデータなのでしょうか?

ご指摘ありがとうございました。
11 :22:2002/07/18(Thu) 14:53
ちょっと訂正
>90年代に下の所得階層から第一階層に移動したということは考慮されているデータなのでしょ>うか?

→90年代に下の所得階層から上の所得階層へというような所得階層の動態性が考慮されているデータなのでしょうか?
12 :俺の名無しさん:2002/07/18(Thu) 15:09
>>11

中途半端なバカが成金になるのと、本格的なバカが窮乏生活を強いられるのとは
随伴的な現象だと思うよ。つまりバカ同士での財の配分は極端で、かつあまり
バカじゃない人はバカの行動の内容を理解できないからバカ経済全体が比較的閉じている。
公教育が経済的充実に繋がるという経験的事実からバカ因子は遺伝的ではないと言える。
13 :俺の名無しさん:2002/07/18(Thu) 16:56
12つづきとおわび。成金がいることでバカに存在証明を与え、かつ
この文章を理解することができない人間が一人でもいることを期待し、
もっともバカな人間は回復不能であるという意味でバカであるという
ことの期待度を上げたい。が、だれも理解できないとこの文章作成者が
回復不能のバカであるということになってしまうが、よく考えたら
第三者に取ってはこの書き込み自体が証明になるのね。

「バカが不可逆性を獲得する臨界があることの証明」は以下。
中途半端なバカが私塾を尊び公教育をバカにするのは行動としては合理的だ。
私塾が拝金主義的な行動規範を掲げるか、実際にそうであるような人間を集めるのは
これも合目的的だ。「バカ」「私塾」「公教育」は意味を拡張して使っている。
そういう因子が人間全員に共通してあるとして、ゲーム理論を適応して書いた。

世界の(願わくばもっとも貧しい)子供が、公教育を通して同じ理解を共有できますように。
14 :くろき げん:2002/07/18(Thu) 17:25
アメリカの所得格差拡大については、ポール・クルーグマン著『経済政策を売り歩く人々――エコノミストのセンスとナンセンス』 (日本経済新聞社、 1995、原書1994) の第5章が読み易いです。

所得格差が拡大しているという現実の保守派による否定、特に「所得の階層間移動性」を用いた論法 (「保守派が所得格差の拡大を否定するのに使う最も巧妙な論法」p.162) に対する反論もばっちりです。

クルーグマンの議論はネット上では以下の場所で読めます (有名な文書なので複数の場所にある):

http://www.prospect.org/print/V3/11/krugman-p.html
http://www.pkarchive.org/economy/therich.html
http://www.j-bradford-delong.net/Politics/therichtherightandthefacts.html
Paul Krugman,
The Rich, the Right, and the Facts
Deconstructing the Income Distribution Debate

時間に余裕がない人にとっては "income mobility" に関する次の要約が便利:

http://www.korpios.org/resurgent/491More.htm

所得分配の話は人を熱くさせるので、クルーグマンは保守派にとって「ものすごく嫌な奴」とみなされているに違いない。
15 :俺の名無しさん:2002/07/18(Thu) 18:31
>>14
Oh~!I can’t read English↓
16 :すりらんか:2002/07/18(Thu) 19:14
まさに>>06のデータ,そしてまさに>>08のつっこみで良かったみたい.

サンプルが10年連続のTax Payerだけ……ということはホントの低所得層はも
ともとはいってない.そしてAgingに考慮してないんですね.つまりは高所得
から低所得の移動には「引退」,低所得から高所得は「賃金の年齢に応じた
上昇」が入っているというわけだ.そして,同じ階層にとどまるケースは最下
層以外では多くない.10年連続Tax Payerで所得が最下層……これは一時的な
(病気・事故・失業)が入っている可能性があるんじゃないかな.で,次に多
いのは隣に移るケースこれは境界に近い人にありがちと思われ.

ってなかんじです.
17 :22:2002/07/19(Fri) 13:38
みなさんありがとうございます。さすが苺びびえすですねーー。要は、統計をごまかしているのは保守派のほうだということですね。クルーグマンの論文はあとから辞書をひきひきしながらゆっくり読んでみます。
18 :すりらんか:2002/07/19(Fri) 16:33
(誤)同じ階層にとどまるケースは最下層以外では多くない
(正)同じ階層にとどまるケースは最下層以外では「多い」
まったく逆の事かいてすまそ
19 :俺の名無しさん:2002/07/19(Fri) 17:39
>>18
同じ階層にとどまるケースが最下層で「多い」

という事態がなければ、そもそもこんな議論は起こらない。
20 :22:2002/07/19(Fri) 19:33
保守派(市場主義)は、事実をごまかしたりして支持失ったりしないんですかね。こういった統計のごまかししたりすると露骨に金持ちのための経済思想であることを暴露してしまう気がするのですが。
21 :俺の名無しさん:2002/07/20(Sat) 02:06
22さん、どうぞ。
22 :22:2002/07/20(Sat) 03:36
ありがとう
23 :♪:2002/07/26(Fri) 00:50
離婚すると生活水準落ちますよね。
24 :22:2002/07/28(Sun) 13:54
アメリカで所得に格差がでてきているというのは事実のようですね。しかし、その原因はアメリカの競争原理に基づく経済が悪いんだ!ということにはならないように思います。原因としてアメリカが毎年たくさんの移民を受け入れていることも考えられるのではないでしょうか。統計によれば、毎年のアメリカの人口増加の三分の一は移民によるものだとされています。移民のほとんどは所得階層が低いわけですから、結果として所得階層の格差拡大に反映されてきているとも考えられます。
25 :夏の名無しさん:2002/07/28(Sun) 14:43
もっと一般的にいうと、競争が不完全だからでしょ。
26 :22:2002/07/28(Sun) 16:45
これは「競争が不完全だから」、貧富の差がでるということでしょうか?また、それはなぜだとお考えになられますか?>25さん
27 :くろき げん:2002/07/28(Sun) 16:58
>>24

「移民受入→所得格差拡大」という考え方もかなり疑わしいようです。

http://www.econ.yale.edu/alumni/reunion99/cline.htm
Trade and Income Distribution: The Debate and New Evidence
William R. Cline
>
>A new general equilibrium model developed in Cline (1997) finds trade
>and immigration effects comparable to or somewhat greater than that
>school, but also shows that nonetheless they are unlikely to have been
>the dominant forces in rising wage inequality.

すなわち、 Cline によれば、貿易と移民受入の影響は教育と同じ程度以上あるが、所得格差拡大の主要な原因ではありそうもない、ということです。 Cline は所得格差拡大の原因に関する過去の論争の要約もしているので参照して下さい。様々な原因が考えられており、どれがどれだけ効いているかが論争になっている。

アメリカにおける所得拡大の原因は難問なのでそう簡単に理解できることではないと思います。決定的な分析があれば私も教えて欲しいです。
28 :くろき げん:2002/07/28(Sun) 17:07
Cline の政策面での結論は以下のように慎重なものです。

>What the findings do imply, however, is that the market process alone
>does not necessarily assure that the gains from trade are evenly
>distributed. This suggests in turn that a wide array of other
>equity-oriented policies should appropriately accompany a free-market
>(and free-trade) strategy. More narrowly, the results also suggest the
>potential importance of training and education in assuring that rising
>relative demand for skilled workers translates into broad advances for
>all workers rather than leaving behind a large cadre of unskilled. As
>for immigration, the findings suggest that it may be appropriate to
>take another look at the historic shift in recent decades toward
>family ties rather than skills as the criterion for eligibility.

単純馬鹿な考え方を述べる人は保守派であると左派であろうと全然信用できませんが、 Cline のようなことを言う人は信用してもそう大きな間違いをおかすことはないと思います。
29 :ナツチュウ:2002/07/28(Sun) 17:24
アメリカで暮らしてはじめて知ったのですが、移民(特にアジアからの)は高い
学歴があったり、資産があったりします。英語ができないし、アメリカでの
実績がないからよい収入の職にはつけない。それでウェイターや掃除婦(夫)を
やっていたりする。掃除のおっちゃんとよく話してみると実に教養があったりする。

また、たとえば中国料理屋は他にくらべて2、3割安い感じがするのですが、
理由を聞くと人件費が安いからだとか。三食住居付きで移民を雇うわけです。
そのときは所得が低いでしょうが、独立するときには支援してもらえるとすれば
どうでしょう?

彼らは一気に階層を移動している可能性があると思います。
印象論にすぎませんが、マクロ統計では絶対でてこないし、エリートさんは彼らと
話をすることなんかないでしょうから、まあご参考までに。
30 :夏の名無しさん:2002/07/28(Sun) 20:04
アメリカの階層間移動は、凄いデータがあって、同じ人間を何十年も追跡してるからなぁ。
マクロじゃないよ、パネルだよ。
31 :夏の名無しさん:2002/07/28(Sun) 20:25
あんまり追跡されたくないなあ。
出世すればいいけど、自己破産なんかしちゃった日には目も当てられん。
32 :47@初学者:2002/07/29(Mon) 02:08
経済学では、「配分」という言葉と「分配」という言葉を
使い分ける、というような話をちらっと以前きいたことが
あるような記憶があるんですが、知っている人がいたら
教えて下さい。
33 :47@初学者:2002/07/29(Mon) 02:10
ごめん。すれ間違えました。「くだらない質問・・・」のすれに書き込むつもり
だったんですが・・・。でも、せっかくなのでこっちでも、もしよかったら
教えて下さい。
34 :ららら:2002/07/29(Mon) 02:34
配分:allocation
総需要が総供給を超えないという意味で実行可能な割り当てを言う。
分配:distribution
所得や富が、さまざまな生産要素を提供する経済主体の間に分けられること。

厳密に考えると、結構難しいので、大雑把に配分は資源(生産要素)の市場への
割り当て、分配は所得の企業や家計に対する割り当てぐらいに考えておけば良いと思う。
35 :22:2002/08/02(Fri) 18:00
>くろき げんさん

所得階層の移動がアメリカではスムーズであるというのも怪しくて、移民の流入も所得格差の拡大の原因としては怪しい。アメリカの所得格差の拡大を説明する原理についても論争が起きている。とすると、マル経のように、アメリカでは労働者の窮乏化が起きているんだ!そして階級闘争が激化しているのだ!所得格差の拡大はアメリカの資本主義経済が原因なのだ!などと言い出す人がでてきてもおかしくはないですね。
36 :くろき げん:2002/08/03(Sat) 00:35
>>35

そういう考え方をする前に、 >>14 で紹介したポール・クルーグマン著『経済政策を売り歩く人々――エコノミストのセンスとナンセンス』 (日本経済新聞社、 1995、原書1994) のような本をまず読んでみた方が良いと思う。

この本と山形浩生訳の『クルーグマン教授の経済入門』 (メディアワークス、 1998、原書1994,1997) はA面とB面の関係になっています。どちらがどの面なのかわかりませんが、どちらもお金を出して読む価値があることは確か。 (近所の図書館を利用している方は購入希望図書として推薦しておくと良いと思う。)

ついでに、ジョセフ・E・スティグリッツ著『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』 (徳間書店、 2002) も一緒に読んでおくと良いかもしれません。巷ではこの世の悪の大部分を「グローバリズム」と呼んでいる方々がいらっしゃるようですが、スティグリッツはもちろんその手の類とは全然違う。自由貿易のメリットを当然とした上で悲惨な結果を招く無謀な政策を防ぐには皆がどういうことを知っておかなければいけないかが書かれています。
37 :夏の名無しさん:2002/08/03(Sat) 19:20
>>36
スティグリッツに関しては
http://www.imf.org/external/np/vc/2002/070202.htm
と言う批判もあります。