需要・供給っていったいなによ
economy/0354 / 17 レス / 2001/09/25〜2001/09/27
- 1 :すりらんか:2001/09/25(Tue) 15:52
- さてこの板でも需要不足,サプライサイド改革云々を何度も何度も
話題にしてきましたが,定義上・SNAの問題はさておき,需要と
供給特に
「潜在需要」
「供給能力」
ってなんなんでしょう.または何をもってこの2つの定義と考える
と発展性のある議論になるんでしょうか.モデル構築上の話しでも
面白いし,政策的な話しをしても面白いんじゃないだろうか. - 2 :名無しSeptemberLove:2001/09/25(Tue) 20:50
- 供給能力はマクロ的には、稼働率を考えるというのがあると思うが。今の日本は相当低いと思う。
例えば、台湾のファウンダリーで有名なTSMCでも、最近のIT不況で、稼働率5割などという話が暫く前にあったりする。カレツキアンの伝統的な議論だと思うけれど、主流派は完全雇用、完全稼働が前提だから、あまりそういう話はしない気がする。 - 3 :ドュなキでマ:2001/09/25(Tue) 21:58
- >>1
非自発的?ホームレスって経済学ではどう表現出来るんですか?
綺麗なシャツ、おいしい食事、暖かい布団などを欲しがってると思います。でもお金は無い。
潜在需要?
また職種次第では働けるとおもうので(あくまで職種次第..)
供給能力? - 4 :供給能力と書いたのは私です。:2001/09/25(Tue) 22:32
- バブル時代(87年から90年)に設備投資の年平均伸び率は約13%だったそうですね。(73年から86年は年平均3.6%)
この時期、雇用、債務もかなり増えたはずです。
現在の日本は、この、雇用、債務、設備の過剰に足を取られているという主張を読みました。
当然、稼働率も低い状態でしょう。
供給能力と言う言葉は、このへんを表現したかったのです。
また、近年、日米製造業の設備年齢も逆転してしまったそうですね。
その一方で、個人消費はそれほど落ちていないのではないでしょうか(未確認です、すみません)。
需要面、特に設備投資意欲の改善がないと不況を脱出できないのではないか、
というのが個人的な意見です。
受け売りばかりの厨房ですが、勉強させて頂きたいと思っています。
よろしくお願い致します。 - 5 :野次馬:2001/09/25(Tue) 23:56
- 「供給能力」というのは、比較的簡単に定義できるのでは。あ、定義の問題じゃダメなのかな(笑)。
現実の生産状態は、供給能力と稼働率の関数と考えるのが最もシンプルだと思うので、稼働率で現実の生産水準を除してやれば「供給能力」ってのが出てきます。
生産要素と稼働率の関数という形にして生産関数を定義すれば、稼働率=1で供給能力を表現できますが。これっていわゆる教科書的なコブ・ダグラスやCESと一緒でしょう。
これに対し、「潜在需要」は難しいのでは。
通常言われるのは、総貯蓄金額や資産総額などと結びつけてこの言葉が語られるのではないかと勝手に思ってますが、これは一つの考え方ではありますが、マクロ的には問題もある。
貯蓄投資バランスが働く以上は、資金が投資需要に回れば問題はない。
不況下ではここがインバランスになっているので、その分を消費せよということで、このギャップ分を「潜在需要」と言っているのではないのかな。
但し、現実にはローンなどの信用取引が存在しているので、言葉の正確な意味で「潜在需要」を定義しようとすると、殆ど無限大になって手に負えなくなる。この信用取引は企業と家計と両方に影響を与えますし。
需要予測の難しさはここにあるように思うんだけど。 - 6 :すりらんか:2001/09/26(Wed) 01:30
- このスレに関しては親切説明無し&粘着質に逝きます(爆).とりあえず供給能力の
方から片づけていきましょうか.
>近年、日米製造業の設備年齢も逆転してしまったそうですね
という話しをうけると,現行の日本企業の資本の付加価値生産能力はほんとに高いの
だろうか(つまりほんとに供給能力あまっとるンか?)という問題になる.
>供給能力はマクロ的には、稼働率を考えるというのがあると思うが。
ただ,資本稼働率で考えるとして,供給能力を現行産出量×稼働率逆数とするならば,
裏で想定している生産技術はK,Lに関するレオンチェフ型生産関数で雇用調整の方が容
易という設定をしていることになると思います.んで前者だとして,雇用調整の方が
容易というのはどうも納得如何話しです(<03のはなし).
>「供給能力」というのは、比較的簡単に定義できるのでは。
>稼働率=1で供給能力を表現できますが
いや,もちろん最終的には「役に立つ定義」を考えて居るんですけど.グロスの生産
関数がY=f(AK,BL)としましょう.稼働率A,Bがともに1でない状況で,A=B=1の時の生
産を求めるためにはfの特定が必要になる.これは相当困難な作業ではないだろうか. - 7 :野次馬:2001/09/26(Wed) 11:22
- >>6
大ざっぱに言って、2つのやり方があると思います。
一つは、実際の産業別の稼働率統計を使うというやり方。
これは既に統計が発表されていますから、それを利用することは可能。
そこでの「能力の定義」については、以下の通り。
「能力指数(のうりょくしすう:Production Capacity Index)
正式には製造工業生産能力指数。製造工業の生産能力を、操業日数や設備、労働力に一定の基準を設け、これらの条件が標準的な状態で生産可能な最大生産量を能力として定義し、これを指数化したもの。」
http://www.meti.go.jp/statistics/data/h2afterm.html#noryokusisu
あともう一つのやり方は、OLS等の計量的方法で求めるというやり方。
すりらんかさんのような二つの稼働率ではなく、もっとシンプルに稼働率γのようなものを用意し、例えば生産関数をコブ・ダグラス、しかも規模に関して収穫一定として推定します。
生産要素は二つでも、一つでも本質的に違わないと思いますが、一応二つでやるとして、対数変換式を重回帰分析すれば、求められた定数項が稼働率に当たるものと解釈可能です。
(もちろん、ここでの話は全て誤差項に分散一定の正規性を前提してのお話です。)
稼働率を0<γ<1と仮定すれば、この定数項は対数変換の関係で負値なると符号条件を予測できます。
稼働率が1以上という場合もあり得るので、この定数項は正の小さな値を取ることもあり得ます。
この辺は実際に推定してみて判断する他はないように思います。
いずれにせよ、関数の特定化という話にしてしまうと難しくなりますが、稼働率という概念を持ち込めば比較的に容易に測定できるのではないかと思われます。 - 8 :すりらんか:2001/09/26(Wed) 13:16
- もちろん現実に使うとしたら稼働率指数というわけでしょうけど,あれって
生産能力と現実生産量の比ですからどこか逆立ちしてる気がするんですよ.
あと,たとえば不況が長引いて企業がバンバン首切り&設備の投げ売りをや
ったとしましょう.そうすれば稼働率は上がる(リストラが進んで忙しいっ
てやつです)そしてその企業の生産能力は落ちる.でもこれってマクロでの
供給能力落ちているとは言えないんではないでしょうか.非自発的失業が大
きい状態では,その気になればすぐ人を雇って(MC上がらず)生産能力を
積みませる.マクロでの供給能力を考えるときに重要となるのは労働市場が
均衡するときの労働量で生産できる供給量ということにならないだろうか.
しかし,この均衡労働量自体が(すごく景気良くて賃金上がれば労働増える)
可変的.
すると,供給能力というののひとつの定義として,
「現状から実質賃金の上昇をともなわず,労働量を増加できる限界での労働
量と現在の資本の完全利用で達成されるGDP水準」
というのが考えられると思いますが,近年の潜在成長率論議とかで出てくる
供給能力がこれとは思えないんです.どうでしょう. - 9 :ドラエモン:2001/09/26(Wed) 14:15
- >すりらんか氏
いや、若い!これは儂のような爺さん達には大変にファミリァーな概念なのだよ。もう
誰も憶えてない(上級の教科書に出てこない)けど、ハロッドの保証成長率と自然成長率
の違いのことなのね。
保証成長率というのは、いわゆる「稼働率」を100%(利潤極大で定義される)に維持
して、かつ貯蓄投資がバランスしてる成長経路と定義される。
一方、自然成長率は完全雇用成長経路と定義される。
新古典派の世界では、その二つは前提として乖離しないけど、ケインズ=ハロッド的な
世界では原則的に乖離する。ハロッドのアンチノミー(二律背反)理論というのは、こう
いう成長モデルのフレームワークで、稼働率の変化が資本蓄積率を通じてポジティブな
フィードバックを引き起こす(ひとたび保証成長経路を上向きに乖離すると稼働率が上が
り、さらなる設備投資の拡大を招き、乖離は累積的に拡大する)というナイフエッジ均衡
を論じている。
そうした不安定経路は、完全雇用によって天井を与えられ、独立的な設備投資によって
床を与えられ、景気循環は長期では自然成長率に規定されるが、短期では累積的な不均衡
の連鎖として理解される。これをソフィスティケイトしたのが、ヒックスの景気循環論か
ら後の、いろんな「マクロダイナミックス」と呼ばれる昔のモデル。
もちろん、こういう理論はミクロ的な基礎を欠いているわけで、今から見れば骨董品でし
かない。しかし、それが述べようとした景気循環のイメージは、バブルと長期不況に苦し
む今の日本経済の現実に対して、新古典派的なイメージより遙かに親和的な気もするよ。 - 10 :野次馬:2001/09/26(Wed) 15:31
- >>09
>ハロッドの保証成長率と自然成長率の違いのことなのね
その通りです。
昔、置塩信雄氏などが論じてました。
比較的最近は、岩井克人氏かな。
人口成長率と稼働率の問題は、長期と短期を考える上では重要なファクターだという気がします。
俺個人は、この問題においてあんまりミクロ的基礎付けの意義を感じていないのだけど(汗。 - 11 :すりらんか:2001/09/26(Wed) 17:32
- >09,10
なるほど.ちょっと僕の頭の中が整理されてきました.
>ミクロ的基礎付けの意義を感じていないのだけど(汗
うん.私も結構そう思います……というとスレ終わっちゃうので,もう少し
引っ張ると,では潜在成長率というのは経済が完全雇用の壁まで逝った状態
での供給と言うことですよね.そうすると,ヒックスサミュエルソンモデル
とかで経済が天井・中位・床の間を行ったり来たりするモデルでの天井が「
供給能力」ということになる.経済に均衡点が上の3つあるとして,天井・
床が安定的均衡とするならば,真ん中は不安定均衡です.するとHDモデル
は不安定均衡は不安定であるといっているだけのモデルに聞こえてしまうし.
経済厚生のパレート順位が天→中→床なら,上に行って張り付くのは何も問
題ないと言うことになる.しかしHSモデルのポイントは天井・床に行くと
そこではじかれちゃうわけです.ってことは安定的な均衡は真ん中というこ
とだろうか.するとHDはどこかおかしいということになるし,不安定均衡
である天井を「供給能力」とよぶのは何か変な気がします.どうでしょう? - 12 :稲垣メンバー:2001/09/26(Wed) 19:30
- 需要と供給のバランスの問題?
- 13 :ドラエモン:2001/09/26(Wed) 19:35
- ヒックスモデルには安定均衡点はない。あるのは安定軌道だけ。循環パターンが安定して
いるわけね。トポロジカル(w)なのだよ。
あのモデルでの天井は、供給能力というより供給限界だね。 - 14 :すりらんか:2001/09/26(Wed) 20:02
- ただ,安定軌道はヤバイと思うんですよね.経済環境が安定的な往来を
するのならどこかに裁定機会が生じていて,投機が縮めちゃうでしょ?
(まぁ現実経済でそういうのでおいしく儲けている人もいるのは知って
いますが……爆) - 15 :ドラエモン:2001/09/26(Wed) 20:19
- >>14
あー、ミクロ的基礎の視点があるとそういう事になるなあ。そうだよね。だけど、安定軌道といっても、トポロジカルな意味だから景気循環の期間なんかは不確実で、リスクプレミアムを考えると、そうそう最低機会はないんじゃなかろうか?
どうせ家建てるなら不景気の時に限るって自明ですよね。建築費・土地代・金利の全部が有利だから。ところが、現実にはそうはいかない。やっぱり、金融市場が不完全だということか。 - 16 :すりらんか:2001/09/27(Thu) 00:14
- >どうせ家建てるなら不景気の時に限るって
確かにそうですね.山種も同じ様なことをいってたとのことです.でも
そうならないのは……不況が定常状態になるのを否定できないからと思
うのです.その意味で,やはり経済変動のパターンに「型」があるとい
うモデルはやはり納得がいかない.だって,もっと下があると思うから
こそ買えないんではないでしょうか. - 17 :ドラエモン:2001/09/27(Thu) 00:37
- うーん、どうも最近のすりらんか氏は、マーケットずれしていていかんな(爆)
でも、相場眺めていると流動性選好とか長期期待とか、一般理論の謎の概念が良く分かるでしょう(w)