時代遅れのモデルの無効性は証明されるか?
economy/0181 / 17 レス / 2001/02/17〜2001/02/25
- 1 :ドラエモン:2001/02/17(Sat) 03:11
- 既に何度も書きましたが、商売で経済分析やってますと、頑丈なフレームワークしか
結局は使い物になりません。つまり、必要最小限の変数からなるモデルということ。
その意味では、どれほど叩かれようと、マクロなら結局は、
1)フィリップス曲線
2)オークン法則
3)ISLM
4)マンデルフレミング
5)購買力平価と、為替レート決定のカバーなし金利平価モデル
くらいしか使い物にならないわけです。もちろん、こんな風にしか考えられないのは、
僕が単に時代遅れだというだけかもしれないのですが・・・
ミクロ的基礎を欠き、アドホックだという「論理的美しさ」は別にして、上述のような
分析フレームワークで決定的に現象説明力が欠けてるケースは何でしょうか?出来れば
具体例を挙げて、旧石器原人的ケインジアンを爆撃してください。 - 2 :ドラエモン:2001/02/17(Sat) 03:17
- × 「論理的美しさ」
○ 「論理的醜さ」 - 3 :名無しさん@東京人:2001/02/17(Sat) 06:03
- 恒久減税と時限付き減税の効果が同じなっちゃうー。
- 4 :ドラエモン:2001/02/17(Sat) 14:00
- うーん。その程度は時代遅れモデルでも考慮できるでしょう。金融@2chでも書いたんだけど、
僕のイメージしてる時代遅れモデルって、最善だとジョン・テイラーが大統領経済諮問委員会で
作ってた世界経済モデルくらいまでは入る感じなんですけど。
つまり、合理的(モデル整合的)期待形成くらいは何とかなる感じ。テイラーだけじゃなく、
イェールのレイ・フェアなんかもでっかい基本はケインズ的なモデル作ってるけど、技法として
は合理的期待やらGMM推定とかは使ってる訳ね。
だから、>>1 で挙げたような世界と本質的にはそんなに変わらないように思うんだけど。何が、
「新しいマクロ経済学」なんだろう?ホール&テイラーの教科書なんか、旧石器時代人が読んで
も抵抗ないんだよね。 - 5 :新世紀名無しさん:2001/02/17(Sat) 20:24
- >04
アメリカの学部生用のマクロのテキストの基本的部分は昔も今も変わってません。
>>マンキュー,ブランシャール,エイベル&バーナンキ,ホール&テイラー
バローのマクロは「新しい古典派」の立場から書いてるけど,全部が全部ミクロ的
基礎をもっている訳ではない(例えばインフレの理論は貨幣の需給均衡方程式一本
で議論してる)。 - 6 :すりらんか:2001/02/17(Sat) 22:31
- うーんと,銅鑼さんの真意がわかんないんだけど,
(1)-(5)の結論に関する否定意見はありますか?ということでしょうか.
現象論に限定するなら,銅鑼さんの話に特に反論はないんですよね.よ
く,「ケインズモデルは期待に関する考慮がない,マイクロファンデが
ないから駄目」という感じのことを言う人いるけど,んじゃ,それがあ
れば全然いいわけなの?とおもっちゃう.何が悪いんだろう.
そういう,初級教科書に書いてあるような話ではなく,マイクロファン
デの無いモデルには,
・予想
・評価
の2面に致命的な欠陥があるから,再考の必要があると思うのです. - 7 :すりらんか:2001/02/17(Sat) 22:35
- ちょっと趣旨からはずれてスマソ.
要するに,
1)Traditionalモデルの導く定性的な性質に否定的な考えは私はもっ
ていない(むしろシンパである)
2)Traditionalモデルの欠陥はその結論にあるのではない
ということを言いたかったのです. - 8 :ドラエモン:2001/02/18(Sun) 01:18
- 一週間ほど旅に出ますので、続きは帰ってきてからということで。
- 9 :すりらんか:2001/02/19(Mon) 17:27
- 銅鑼さんのお留守中は,私がお相手します.
とりあえず,私の脇道は無視して,スレ趣旨に戻って
「Tradモデルの導く結論(現象論)で,これは現実にそぐわない」
と思うものをあげつらってみましょう. - 10 :ケーキと:2001/02/19(Mon) 22:40
- ハローみなさん、お久しぶりです。
しばらく名なしさんになっていました。 (^_^;
さて、すりらんかさんの提出されたテーマを考えていただくとして、
こういうものもあるのだというご紹介をさせていただきましょう。
ハイブリッドのモデルです。
IS-LMは財、貨幣、国債の3つの市場のうち、ワルラス法則から財と
貨幣市場だけを考えたモデルです。そこで国債のかわりに資本を考えます。
財、貨幣市場の均衡だけを考えることになるのですが、資本を考えた
理由は、調整費用を入れてトービンのqを考え、投資にマイクロファンデを
いれれるからと言う理由です。利子率の増加はqを増加させ、投資を
減少させ、有効需要を減少させるので、財市場均衡から、生産量しいては
雇用を減少させます。雇用と資本は補完的なのでqを下落させこれが
さらに生産量を下落させることになります。
くだらない仕事で、こんな論文を読んだのですが、ローマーの本の
トービンのqのところを読んで、ああいう位相図を書きながら読みました。
(いくらか勉強になった)
こういうハイブリッドのモデルについてどう思われますか?
(トービンの資産市場の一般均衡理論にすぎないのでは?と
思われませんか?詳細は1980 Bailey&Scarthを見てください との
ことです。) - 11 :すりらんか:2001/02/19(Mon) 23:14
- >ケーキとさん
元ネタを読んでないので,何とも言えませんが,この手のハイブリッド
を考えたとき,利子率って何なのでしょう.IS-LMの元モデルでもそう
だけど,
1.実質利子率なのか名目利子率なのか
2.一体全体何の収益率なのか
がホント問題になってきますよね.その意味でIS-LMはちょっと扱いづ
らいかなと感じることもあります.こと,このモデルだと2の疑問はさ
らに増すばかりになってしまう.
>qを増加させ、投資を減少
はミスタイプなのかしら,それともこれで正しいなら,このモデルの利
子率が何なのかさらに問題にしなければならない.
IS-LMはそれに拡張を行ってなにか意味のある分析に結びつけるという点
では,最新モデルより面白いところはたくさんありますね.最近の☆先生
の論文とかもろのIS-LMの応用なのに少しびっくりしたりしています. - 12 :新世紀名無しさん:2001/02/20(Tue) 11:32
- >ケーキとさん
ISLMで私が常々疑問に思っているのは、「ワルラス法則」というのを
軽々と使ってよいのかという問題なんです。いろいろな教科書で、
このフレーズをエクスキューズにして財と貨幣の均衡問題に持っていって
いますよね。でも、ISLM体系の中で主張したい問題は、労働市場の
不均衡(非自発的失業、超過供給)であるはずゆえ、これがクリアしてないんだから
一般均衡体系で言えば何かが超過需要であるはずと思ってしまう。
そして完全雇用国民所得を恣意的に持ってきて、ここを達成させるように
財政金融頑張りましょう、という筋書きになっていますが、どういう基準が
完全雇用国民所得なのか良く分からない。
そして、「有効需要不足」がどうして発生するのかというメカニズムを
明らかにしていないので、財政政策の効率性が損なわれる形での財政出動が
まかり通ってしまう。 - 13 :ケーキと:2001/02/20(Tue) 19:59
- 1:実質利子率なのか名目利子率なのか
財の価格は1とします。1財モデルです。
だから実質利子率です。
2:なんの収益率なのか?
貨幣とは利子を生む安全資産であると
考えるといいと思います。偶然利子率が
ぜろなだけです。
ちなみにミスタイプです。
セイ法則とワルラス法則はちがいます。
パテリンキンの議論を参照のこと - 14 :プロボーラー[プロボーラ]:2001/02/20(Tue) 21:02
- >12新世紀名無しさん
質問の趣旨を理解しているかどうかですが。
ケインジアンタイプのモデリングする際に暗黙の了解としているのは、レベルとしての超過需要も超過供給があったとしてもその程度が一緒になる
(ワルラスだから)ので、他の市場で均衡への動学的安定性を保っていれば、もう一つを無視しても解が同じということなんではないでしょうかね。
おっしゃる話でいうと労働市場での超過供給は、ある一定の条件下では、有効需要の不足と一致します。
ワルラス法則は単に算数をとくときの話なので、超過需要を変数として入れればその分を説明する式を方程式一本足せば、やっぱり成立すると思いますが。
(間違ってたらごめんなさい。) - 15 :新世紀名無しさん:2001/02/21(Wed) 11:21
- >12,
その疑問は正しいです。しかしISLMモデルをワルラス法則とどう折り合いを
つけて見てくかという問題意識を持つと泥沼にはまって抜けられなくなります(藁)。
ドラエモンさんの世代の人達に語っていただきたい問題意識ではある。
>13
パティンキンの議論はミクロ的基礎の問題をナイーブにしか研究できなかった時代
に咲いた仇花,もしくは化石です。忘れましょう。
>14
最近の『新しい新古典派総合』の立場から,学部テキストのISLMモデル
の政策インプリケーションが出てくるのかどうかは知らないけれど,
ナイーブなISLMモデルをそのまんま受け入れるのがいやなら,
『新しい新古典派総合』の可能性について考えるのが最も生産的ではある。
昔の不均衡モデルは問題外だから(藁)。 - 16 :ケーキと:2001/02/24(Sat) 18:48
- パティンキンではなくて、レーヨンフーブッドでした。
昔読んだ、美濃口武雄の経済史の知識です。書き込みをして
不適切だったときづいたので気がかりでした。今書き込みをさせて
いただきます。
そこには財市場で超過供給が生じているから別の市場で超過需要が
生じているはずだというのがレーヨンフーブッドの主張だとありました。
つまり、それは貨幣市場で生じている。つまり貨幣は交換手段であるのみ
ならずの価値の保蔵手段であるからだ。だからつねに超過需要が生じていると
ありました。(これをうっかり信じてしまうとは、昔はあまり考えて
いなかったのですね)
IS-LMでは貨幣市場は均衡します。財市場は、需要に応じて即時に生産量が
決まるので財市場も均衡しています。すべての市場が均衡するのが経済の
均衡なので一つの均衡式を落とせます。これが国債の市場です。
だからレーヨンフーブッドの主張はISLMとは相容れないです。
貨幣経済でどうして失業が生じるかという質問に対してレーヨンフーブッドを
引き合いにだしながらIS-LMを書いていた僕はあまり考えていない人と
いうことになるのでしょう - 17 :ドラエモン:2001/02/25(Sun) 22:12
- >>12
>ISLMモデルをワルラス法則とどう折り合いを
>つけて見てくかという問題意識を持つと泥沼にはまって抜けられなくなります(藁)。
>ドラエモンさんの世代の人達に語っていただきたい問題意識ではある。
ワルラス法則を巡る問題は2種類あって峻別する必要がある。第一は、ストックとフローの関係。
期首均衡とか(俗に)ストック均衡と言われる資産市場の扱いでは、フローとは違う次元でストック
均衡を考えているので、財とか労働とかのフローの超過需要と資産の超過需要を足したり引いたり
できない。
第二は、森嶋&クラウワー仮説とか、再決定仮説と言う奴。超過供給の下で取引を実行する場合、
家計の事前の賃金所得はw・NSじゃなく、w・NDに「再決定」されており、有効超過供給は
結果的にゼロだということ。
つまり、財・労働・貨幣・債券の4市場モデルだが、労働市場が落ちるので、3市場になり、
一市場を(修正)ワルラス法則で落とすと、IS・LMということ。
しかし、第一の問題を考えると、常にLM(裏の債券市場の均衡)は成立していて、不均衡に
あり得るのは財市場だけということになる。こういう経済の均衡実現のメカニズムは、イメー
ジは、ISに向かってLMの上を在庫調整過程が進行していく感じ。