日本における地価の弾力性について質問
economy/0112 / 8 レス / 2000/11/15〜2000/11/18
- 1 :まこと:2000/11/15(Wed) 06:53
- 経済については素人なもので、まったく見当違いの質問でしたらご容赦ください。
特にアメリカ合衆国のコミュニティ開発、土地利用規制等の議論において、
「地価上昇による固定資産税額の増大が自治体によるコミュニティ開発、
土地利用規制のインセンティブ」という説明をよく目にしますが、
日本ではあまりそのような話は聞きません。
そもそも日本の現状を見るに、周辺の土地利用形態が地価変動を引き起こす場合は、
きわめて限定的ではないかとも思われます。そこで――
1,上記の私の把握は正しいか?
2,(正しいとすれば)この理由を経済学的に説明するとどうなるのでしょうか。
(「足による投票」が日本では少ないから? 公示地価の非弾力的性質?
土地利用の差については そもそも日本の地価は需給バランスを反映していない?)
あとは便乗的質問ですが、
3,そもそも地価上昇を期待したコミュニティ開発、土地利用規制が、
土地流動の少ない日本において、住民に受け入れられるのか。
転売を目的とした開発業者にとって地価上昇というインセンティブは意思、行動に
大きく関与するだろうが、定住を目的とした、もしくは従来から土着している
住民にとっては、固定資産税額が増えるだけで、地価上昇はかえってマイナスに
なりはしないか? - 2 :すりらんか:2000/11/15(Wed) 21:58
- >「地価上昇による固定資産税額の増大が自治体によるコミュニティ開発、
>土地利用規制のインセンティブ」という説明をよく目にしますが、
>日本ではあまりそのような話は聞きません。
固定資産税は市町村にとっては最大の「自主」財源なんですが,最大の財源ではない
所から来ていると言えるのではないでしょうか?最大の財源は地方交付税交付金です
よね.自治体側の関心はこれをどうむしってくるかになってしまうのは現制度では仕
方がない.システムの問題と思います.
>そもそも日本の現状を見るに、周辺の土地利用形態が地価変動を引き起こす場合は、
>きわめて限定的ではないかとも思われます。そこで――
これはそんなこともないと思いますよ.公的なものに限らなければ.鉄道なんかが
その好例(seeT急沿線).また日本の土地利用が固定化するのは,「適度に(これ
がくせ者)」裁量的な土地利用規制であると思います.これじゃあ,土地を売って
……というより,その土地の区分が変わるのをまつという選択を選ばせがちになる
と思う. - 3 :まこと:2000/11/16(Thu) 09:39
- >>02
お答えいただき、どうもありがとうございます。
>固定資産税は市町村にとっては最大の「自主」財源なんですが,最大の財源ではない
>所から来ていると言えるのではないでしょうか?
まさしくその通りですね。
自主財源を増やしたところで、その1/4程度しか実際の歳入総額の増大につながらない
現状の制度では、固定資産税額を増大させようというインセンティブは小さくなります。
鉄道が開通して地価が上がる等、プラスの周辺環境変化に対する地価変動は
よく見られますよね。ただし、マイナスの場合――
たとえばショッピングセンターができる(周辺交通量が増える)、
近くに工場ができる(公害の発生)、鉄道が至近に建設される(騒音の発生)
等のマイナスの周辺環境に対する、地価の感度(というのかな?)は、日本では低い
のでしょうか。
地方自治体についてはともかく、住民(土地所有者)について見ると、
この10年前まで日本の地価が右肩上がりだったために、マイナスの地価変動に
ついては鈍感だっただけで、いわゆる「土地神話」が崩壊した以上、今後は
住民も周辺環境のマイナス変化による地価の下落について敏感にならざるをえない。
これまでも空港、工場、鉄道、道路、産廃処理場等、単発的な住民運動
はありましたが、周辺環境=地価を維持上昇させていくために、持続的、
総合的な住民参加型の「まちづくり」も活発になっていくのではないか
――という仮説を考えたのですが、いかがでしょうか。 - 4 :イナゾウ:2000/11/16(Thu) 12:25
- 今朝、テレビを見ていたらこんなのがありました。ある公園をホームレスの
一時避難所にしようという計画が持ち上がったところ、付近の住民が猛反対。
産廃か原発の反対運動かと見紛うぐらい、公園に設立阻止のためのバリケード
を作ったり、集団での座り込み、署名運動もやってました。
もちろんこういうのを作っちゃうと、一時的なもののつもりが半永久的に
ホームレスが住み着いちゃったり、治安の悪化やただ単純に気持ちが悪いとか
の理由で反対する、付近住民の気持ちもよく分かるんですが(というより、
僕も間違いなく反対運動に参加するでしょうし)、やっぱりこういうのでも
地価とかが下がるんでしょうかね。ちと、極端な話でスマンス。
まあ、僕も「用途地区制度」見直しには賛成です。もっと言うと、大都市
での土地所有の私権制限まで踏み込まないと、東京の交通事情にしても全く
進歩しないのではないでしょうか。 - 5 :すりらんか:2000/11/16(Thu) 12:29
- >マイナスの周辺環境に対する、地価の感度(というのかな?)は、日本では低い
>のでしょうか。
もし商店への転換ができないような場所ではかなり感応度高いと思いますけどね.
賃貸の価格を見るとよくわかる.でも,商店としての利用が可能ならば,これら
はいずれもとりたてて言うほどのマイナス要因ではないよね.
>持続的、総合的な住民参加型の「まちづくり」も活発になっていくのではないか
これは私は別の観点から確実視している.カリフォルアで老人が中心になった市の
独立があったよね.市民運動って現在は活動家とか,物好きとか普通の市民の意識と
どっぱずれたところですすんじゃってる.したがって,大きな流れにはなり得ない
でしょ.また活動家の能力(社会経験少ない人多いよね:主婦だの左翼学者だの)
の問題もあり現実的な力はない.
でもあと10年せずに,社会経験豊富で,ひまで,社会意識が高くて,大団結の経験
がある人々が地域社会に戻ってくるよ.さてそれは……だれでしょう? - 6 :まこと:2000/11/16(Thu) 18:25
- >>04
03を書こうとしたときに、大阪の長居公園(でしたっけ)の話も頭にありました。これを財産権の侵害(周辺環境の悪化→周辺の地価の下落)だとして大阪市を訴えられるのか……。
#アメリカ合衆国のコミュニティ政策は、人種政策、貧困層対策とも大きく関わっていますが、日本でも所得層等に応じて都市が分割される時代が訪れ、その対策としてのコミュニティ対策が必要になりつつあると思ってます。
(議論を妙な方向に持っていきたくないので、この話はここまでにしておきます) - 7 :まこと:2000/11/16(Thu) 18:26
- >>05
>商店としての利用が可能ならば,これらはいずれもとりたてて言うほどのマイナス要因ではないよね.
なるほど。
日本の用途規制が緩く、住宅地と商業地の境界があいまいということも背景にあるのでしょうね。
>市民運動って現在は活動家とか,物好きとか普通の市民の意
識とどっぱずれたところですすんじゃってる.
住民参加において、Silent Majorityの声をどうやって反映させるかは、重要な課題です。
某市の環状道路建設の住民説明会を2度ほど見学したことがあります。それはもう修羅場でしたが、実際に先鋒となっているのは一部の住民(しかも、政党と結びついているらしい)で、大多数の住民はそもそもそうした住民説明会には参加していません。
単発的な、特定事業に対応した市民運動(○○に反対する会)と、持続的、総合的な住民参加型の「まちづくり」とでは参加層も異なってくると思います。実際には、もともと単発的、特定事業に対応した市民運動が、持続的、総合的な住民参加型の「まちづくり」に発展していった例も少なくありません。
ここで悲観的になってしまってはどうしようもないので、どうやったら、もっと多くの一般市民を巻き込めるか、考えていかなければならないと思っています。
>でもあと10年せずに,社会経験豊富で,ひまで,社会意識が高くて,大団結の経験がある人々が地域社会に戻ってくるよ.さてそれは……だれでしょう?
イデオロギー的対立がないのでしたら、北欧のように政党を軸とした地方自治もありうるんですけどねえ……。いずれにせよ都市部の住民参加については、その年代層についての把握が必要ですね。社会経験豊富、ひま、社会意識が高い……という要素はいい方にも悪い方にも転びうるわけで。
やや経済とは論点がずれてきました。申し訳ないです。 - 8 :すりらんか:2000/11/18(Sat) 23:35
- >日本の用途規制が緩く、住宅地と商業地の境界があいまい
裁量政策が非効率を生み出す好例かもしれませんね.
『日本の地価の決まりかた』(西村清彦 筑摩新書)
あたりがよい入門書かと思います.
>いずれにせよ都市部の住民参加については、その年代層についての把握
ここをちょっとっくわしく書いてくれませんか?結構興味がある.