丹羽春喜(2)
economy/0043 / 25 レス / 2000/09/03〜2001/06/14
- 1 :さ:2000/09/03(Sun) 05:03
- http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=eco&key=966879682&ls=50
↑ここからおひっこし。
参考はここ↓
http://www.osaka-gu.ac.jp/php/haruniwa/index.html
真のケインズ政策を実施するためには紙幣をガンガン刷りましょう
という主張(だな?)。で、デフレギャップがあるんで、現在の日
本では絶対にインフレにはならんと。
はなしがうますぎる気もするが、国債発行は景気をよくするには
逆効果だとか、言われりゃそーだなって、今の政策の批判としては
正しいようなきがする所も多い。
まとめとして違ってたら、乞うご批正。
で、フリードマン教授 さま。ドラえもんさま。
「ヘリコプタ・マネー」と買いオペくらいから説明してくれると
ありがたい。 ヘリで蒔くお金か?
買いオペはわかってる気がするけど、そのカネはどこからくるのか
わからん。 - 2 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/03(Sun) 09:53
- >1
私がミルトンです。
約束通りレスつけますね。
どの辺を出発点にしますかね?
ヘリコプターマネー(丹羽氏のご推薦)と買いオペの違いからでいいですか?
買いオペもヘリコプターもお金そのものは日銀の金庫から出てくる、
つまり何もないところから沸いて出てきたと思ってOKです。
(実際には大蔵省滝野川印刷工場から持って来る)
理論的には両者の違いは、殆どありません。
ただ現実的には、結構違うかも知れません。
国民全員がまんべんなく国債を保有しており、これを日本銀行が
直接均等に買い上げるとすれば、買いオペとヘリコプターマネーは
ほぼ同じと言ってよいでしょう。
ところが現実には買いオペの資金を吸収するのは金融機関であって、
直接、消費者家計ということは考えにくいです。
となると、各家庭にお金が行き渡るのにもうワン・ステップ必要になります。
現実的には貸出市場を経由して「貸出金利負担が安くなる」と言うかたちで、
各家庭・企業に「お金」がばら撒かれることになるわけです。
あるいはさらにもうワンステップ経由して貸出金利の負担が軽くなった企業の
収益が増えてボーナスが上がるというのが最終形かも知れません。 - 3 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/03(Sun) 10:05
- .
上で述べたように、丹羽氏の藩札(?)をばら撒くと言うのは、
極めてヘリコプターマネーに近い現象と言えるわけです。
「買いオペ=量的緩和」との決定的な違いは、(1)金融市場を仲介するか
どうか、(2)国債の保有の有無による所得分配の(若干の)歪み、の2点と言えるでしょう。
後者は無視していいように思います。
現実的に量的緩和が上手く行かないかもしれないと言われている理由の一つが、
「銀行が貸出を増やさず、コール市場でお金が滞留するのではないか?」
という懸念です(実務家的に言うと余剰積み資金が日銀内口座に「ブタ積み」
されるだけで対市中の与信は拡大しないだろう、というコトです)。
丹羽氏もこの点を懸念して、通常の「量的緩和」ではなく、
ヘリコプターマネーを提唱しているようです。
次はヘリコプターマネー、量的緩和、双方に共通な
批判・懸念(=見送られている理由)について考えますね。 - 4 :名無しさん:2000/09/03(Sun) 11:27
- 冷静に分析していますね。感謝いたします。
聞きたいのですが、丹羽氏は現在日本は60%の設備しか活
用していないから国民総生産から逆算して残りの300兆円
の貨幣を政府が発行してもインフレにはならないと言うこと
ですがそれは本当ですか?
国債買い切りオペとほとんど差はないと思いますが、なぜこ
ういう方式にしようとしているのかというと国民全てにお金
をばらまくためでしょう。でもこんな事やったら日銀の信用
はがた落ちで日本売りが加速しそうですね。やはりトンデモ
政策だと思うのですが反論下さい。 - 5 :ドラエモン:2000/09/03(Sun) 11:35
- 日銀の信用の源泉は、日本の生産力そのもので、それ以外にはなにもないのでは
ないでしょうか?金本位制の時代には、中銀のバランスシートを論ずる意味はあっ
たでしょうが、管理通貨制度のもとで通貨の裏付けになる資産なんてなにもないで
しょう?
それに、日本売りが加速すると円安で景気回復に貢献したりして・・・。 - 6 :さ:2000/09/03(Sun) 22:07
- >3
>次はヘリコプターマネー、量的緩和、双方に共通な
批判・懸念(=見送られている理由)について考えますね。
ぜひ、つづきをお願いします. - 7 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/04(Mon) 11:46
- ほいほい。
まずドラ氏の05コメントに一言。
いや全く同感ですな。
「日銀の資産悪貨懸念」系の馬鹿げた話しはどこから沸いて出たんでしょうな。
意味無さ過ぎですよ、ホントに。
では、つづきを。
最大の反論だけを手短かに。
丹羽氏によると日本のGDPギャップ(海外ではOutput Gapが一般的)、
は確か30%とか50%とかトンデモない数字になっています。
経済企画庁でも民間シンクタンクでも一般的な推計値は、
せいぜい10%弱、どんなに譲っても15%は超えないでしょう。
なぜこれほど差が出るのかテクニカルな議論は置いておいて、
まず不思議なのは、仮に30%のGDPギャップがあるとしたら、
何故、物価はちっとも下がっていないのでしょうか?
ここが致命的におかしいと思いますなあ。
現在の経済状況が年率マイナス5%くらいのデフレスパイラル状態であれば、
丹羽氏の主張も試す価値はおおいにあると思いますが・・。
現在のCPIインフレ率はちょうどゼロ程度ですからねえ。
次は丹羽氏側の再反論の可能性について述べます。 - 8 :ドラエモン:2000/09/04(Mon) 12:35
- よそのスレッドで中年厨房ぶりを暴露し自爆した後だけに偉そうなこといえ
ませんが、マイナーなポイントでぼけ老人師匠の説明に一言追加。
>02
>・・・国民全員がまんべんなく国債を保有しており、これを日本銀行が
>直接均等に買い上げるとすれば、買いオペとヘリコプターマネーは
>ほぼ同じと言ってよいでしょう。
買い切りオペだと、民間部門(中銀以外という意味)の保有資産(総)額は
変化しませんが、ヘリコプターマネーでは増加します。ですから、財政赤字
を中銀が直接ファイナンスして(中銀引き受け)、減税ないし公共投資の増
額を行うケースの方が、買い切りオペ増額よりヘリコプターマネーに近いと
言えます。
>「日銀の資産悪貨懸念」系の馬鹿げた話しはどこから沸いて出たんでしょうな。
翁氏が、(実は分かっているから)歯切れ悪く、雑誌のインタビューでそんな
こと言ってました。もちろん言い出しっぺは、ヘッジファンドあたりではない
かなと睨んでます。それに、KPMGの木村氏もいってるなぁ。 - 9 :04:2000/09/04(Mon) 16:42
- 再び皆さんの分析に感謝いたします。
- 10 :04:2000/09/06(Wed) 23:11
- 続きをキボンヌ。
- 11 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/07(Thu) 06:56
- あ。
・・すみません。
上がらないのでサボっとりました。
えーと。
丹羽氏側の再反論でしたな。
彼らが言うように30%以上のGDPギャップがあるのなら、
何故、物価はさがらんのかという反論ですが、
おそらく丹羽氏サイドは、ケインジアンの宝刀、
「物価・賃金は下方に硬直的だ」を持ち出すのではないですかな。
だからGDPギャップは莫大でも物価は下がらない、とかなんとか
言いそうな気がしますねぇ。推測ですが。
次はさらに再々反論に行きましょう。 - 12 :さ:2000/09/08(Fri) 03:55
- せかしませんが、読んでますのでご自分のペースでどうぞ。
↓http://www.osaka-gu.ac.jp/php/haruniwa/985gakkai.html
より引用
> 言うまでもなく、この文脈における「デフレ・ギャップ」とは、労働力と資
>本設備の総合的な「完全雇用・完全操業」(摩擦的失業は別として)の状態で
>の生産能力として把握されたマクロ的な「生産能力の上限」という「天井」か
>ら見て、実質GNP(ないし実質GDP)の水準が、「総需要」(有効需要支
>出のマクロ的総額)の不足によって、どれだけ下回っているかという意味であ
>る。 したがって、 それは、実質GNP(ないし実質GDP)の上下への波動
>をならして描いた「平均的な趨勢線」を基準と看做して、当該時点での現実の
>実質GNP(ないし実質GDP)の水準が、 そこから、 どれだけ下回ってい
>るかということと、混同されるようなことがあってはならない。
この説明は普通一般のデフレギャップの定義とは一致してるんでしょうか。
しろーとの質問でごめん。 - 13 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/08(Fri) 10:31
- >12
>この説明は普通一般のデフレギャップの定義とは・・・
大丈夫です。
政府官公庁・民間シンクタンク、海外中銀など、
全て基本的に丹羽氏と同様の定義で推計しています。
丹羽氏が批判する「平均的な趨勢線」ですが専門的には「フィルタリング」という
手法が確かにありますが(対数トレンドも一種のフィルタリング)、
丹羽氏の言うようなGDPそのものにフィルタリングするような
幼稚な手法はめったにお目にかかりません。
少しテクニカルになりますが、「ソロー残差」にフィルタリング、
--例えばホドリック・プレスコットフィルター(HP filter)をかけて
スムージングをすることはよくあります。
ただし、この場合は丹羽氏の言うような「混同」は心配する必要がなく、
理念的には「生産力の上限」を求めているので問題ありません。
したがって丹羽氏の主張する30%ないし50%いう数字と先行研究との
食い違いの原因はこの点に由来するものではありません。
気がむいたら原因について調べてみますかなあ・・。 - 14 :さ:2000/09/09(Sat) 00:26
- >13
テクニカルな説明はわからなかったけど、どうもありがと。
脱線させてすみません。
11のつづきをどうぞ。(ゆっくりまってます。) - 15 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/09/09(Sat) 01:07
- >14
テクニカルな話しについてはきちんと説明してないので、
分からなくて当然です。実際の推計手法に興味があるようであれば、
文献を紹介します。
これまでの話しの要点は、
(丹羽氏)GDPギャップは莫大
→貨幣増発してもインフレの危険ナシ
(政府他)GDPギャップは10%弱
→物価は下落していないので、インフレの危険がないとは言えない。
(丹羽氏?)物価が下落しないのは「下方硬直性」によるもの。
→だからやはりGDPギャップは莫大
(政府他?)物価の「下方硬直性」は日本では「あまり」見られない。
→だからやはりGDPギャップは小さい(とは言っても10%はある)
最後の部分が再々反論になります。
物価の下方硬直性については他にもスレがあったかも知れません。
あと少しだけ続きますぞ。 - 16 :ソフィア:2001/06/12(Tue) 13:23
- >まず不思議なのは、仮に30%のGDPギャップがあるとしたら、
>何故、物価はちっとも下がっていないのでしょうか?
>ここが致命的におかしいと思いますなあ。
現代社会においては、物価の下落という現象も、さまざまな多様なかたち
で生じており、従来の計測方法では十分に把握できていないだけではない
でしょうか。
私たちが日常生活の中で経験している部分で考えてみると、
たとえば、コンビニで販売されている商品の価格などは、
とくに安くなっていることはないかもしれません。
しかし、近年、100円ショップが異常なほど増えてきており、
しかも、その100円で買える商品の品質は、昔にくらべて、
格段に高くなっています。
これは、まさに、物価の下落に相当する現象なのではないでしょうか? - 17 :ドラエモン:2001/06/12(Tue) 13:47
- 御意>16
- 18 :@:2001/06/12(Tue) 17:38
- 純粋な質問として、30%のGDPギャップってありえるんですか。
マイナスギャップが長いことつづくと、(線形)トレンドからの乖離
は短期的なギャップとしてではなく、潜在成長(もしくはGDP)の低下と見るほうが
正しいと思うですが。長期的な潜在が低下するとすれば30%のギャップは
いくらなんでもおかしい。-10%でもかなり不景気だって気がしますし。
もちろん、どんな手法かしらないから、はっきりおかしいとは言いきれないけど。
‐30%って言われると、ちょっと。 - 19 :@:2001/06/12(Tue) 17:47
- GAPはインフレじゃなくて「インフレ率の変化」に関連してるんじゃなかったっけ。
ちがったかな?あれ、わからなくなってきた。この辺の合理的期待(?)って
どうなんでしょう? - 20 :@:2001/06/12(Tue) 17:57
- 私はHPフィルターを日本の実質GDPにかけたDQSでありますが、
-30%にはならなかったですよ。ひょとして定数の違いかな
4半期でーたには1600、年度には100って書いてあったから
そのまま使っちゃいましたけど…。間違ってたのかな。
しかしHPフィルタは、サンプルの最後の方になると、問題ありなんで
あまり「今」の分析をするには向いてませんね。
なんかいっぱい書きこして、スマソ。 - 21 :ドラエモン:2001/06/13(Wed) 00:43
- 学部のマクロとか計量の演習あるいは日銀のレポート(爆)の場合には、何らかの形で推計され
た「資本ストック」「稼働率」「雇用者数or就業者数」「労働時間」を、お好みの生産関数に代
入して推計し、そこにインプットの「正常水準」を代入すると潜在産出量が求められ、その成長
率が「潜在成長率」となる。
この定式化の問題は、資本の測定とか非製造業での稼働率の概念とか色々あるけど、決定的なの
は「成長経済では資本は本源的生産要素ではない」ということを無視していること。つまり、投
資を含むモデルの中では、その大きさが潜在産出量を左右できる。問題点は明らかになるのは、
例えば設備投資主導の好景気では潜在GDPもドンドン上昇し「潜在成長率は高いからまだまだ
行けるぞ」となり、不景気で投資が減ると潜在産出量も減少し「この不況は潜在成長率の低下の
結果起こった構造的なものである」という悲観論の根拠になる。これって変でしょう???
新古典派成長モデル(ソロー)で言うと、定常成長経路に乗ってるなら、均衡資本集約度は一定
になり、労働生産性の水準と上昇率は外生的に決まっちゃう。それに人口掛ければ、潜在産出量
ということになる。このモデルでは本源的生産要素は労働だけ。だから失業率が自然率だか何だ
かに到達した時が潜在産出量。現実の産出量と潜在産出量のギャップは失業率で近似できる。つ
まり「オークン法則」が成立する。
結局、大昔の経済成長理論ハロッドモデルをよく見れば分かること。通常の定義はどちらかとい
うと「保証成長率」に近い概念(完全雇用だけどね)で、後者は自然成長率に近い概念なわけだ。
もちろん、なぜ新古典派定常成長経路が、たかだた10年くらいの景気循環で問題になるのかは
説明が難しい(定常成長経路への収束速度は数十年単位だという古典的研究結果があるから) - 22 :ソフィア:2001/06/13(Wed) 13:31
- 丹羽氏が問題とされている「ギャップ」(デフレ・ギャップ、deflationary gap)は、
労働力と企業資本設備とが完全雇用・完全操業の状態となりえたときに達成されうる
はずの潜在実質GDPの値(潜在的な可能上限値)と、実際に実現しえているGDP
の値との差を意味するものですから、これは、フィルタリングによって簡単に得られ
るものではありません。 - 23 :名無し時々雨:2001/06/13(Wed) 14:55
- 30%のデフレ・ギャップに対して、いくらCPIに上方バイアスが
あるからって、ちょっと無理があるでしょう。
大体、計測誤差は+1%程度というのが常識なはず。
>16 - 24 :ドラエモン:2001/06/13(Wed) 17:48
- 追伸。
80年、90年の失業率は2%で今は5%弱。2%が自然率だかNAIRUなら、3%の
失業率ギャップ。日本のオークン係数は5くらいなので、GDPギャップは15%くらい
ということになる。 - 25 :@:2001/06/14(Thu) 07:15
- 生産関数を使って潜在GDPを算出するとき確かに「設備」(キャピタル・ストック)
変数はなんかおかしいですよね。というか、それを量る基準が見つからない。
>「成長経済では資本は本源的生産要素ではない」
そういわれれば、そんな気もするなぁ。(実感的にはそう思いますけど…)
でも、回答にそうかいたら×にされそう。