バブルはなぜ起きたのか

economy/0004 / 138 レス / 2000/08/20〜2006/09/08

1 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/20(Sun) 18:54
80年代末に咲いたあだ花,バブルはなぜ「発生したか?」
みんなで考えてみましょう.
2 :名無しさん@匿名キボーン:2000/08/20(Sun) 20:44
ひとつの要因として、
公定歩合をなかなか上げなかったというのがあると
思うのですが、
あれは「前川レポート」の縛りが原因ですか?
3 :名無しさん@匿名キボーン:2000/08/21(Mon) 01:30
70年代の銀行、証券危機とトヨタやソニーなどの製造業の銀行化

80年代前半の大蔵省の特金・ファントラ通達、株バブル

85年スミソニアン合意で円高基調、中小製造業不況
87年株バブル崩壊、不動産投資バブルにシフト
   円高によって日本企業の設備投資が有利になる
91年大蔵省不動産バブルに介入、バブル崩壊、不動産市場も機能不全
4 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/21(Mon) 07:16
バブルの発生原因自体は私には分かりません。
ただ02氏の発言に関しては、
87年の株価急落で日銀は金融引き締めの二の足を踏んでしまい、
10年の禍根を残したと言うのが最近「定説」になりつつあると思いますな。
当時は中央銀行が一般物価以外に、資産価格に対してどの程度コミット
すべきなのか全くと言っていいほどコンセンサスがありませんでした。
5 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/21(Mon) 11:38
えーと、ドラエモンさんが来れば、もっと専門的な議論が展開
できるかと思いますが、まずは大まかでごく一般的な話から。
なお、これは、西村吉正『金融行政の敗因』(文春新書)に
あったのが、大元です。(私は読んだときに納得した。)
1)80年代、日本経済に対して、もっと成長するだろうという
非常に楽観的な期待が高まった。(80年代のアメリカなんて、
IT革命もなかったし、こんなに繁栄を謳歌せずに、衰退が始まる
のかとも思われていましたよね。)
2)日銀の低金利策。(これは、プラザ合意ごの円高不況に対して、
財政には制約があったため、過度に金融政策に頼ってしまった。)
3)日本の金融システムが、土地や上場株にばかり、お金が流れる
ものとなっていて、事業の内容を審査せずに、担保の土地さえあれば
融資するものになっていた。(最近でも、日本の貯蓄はものすごく
多いのになぜ、ベンチャー・ビジネスにには流れないのかとかいう
議論が出ていましたよね。マザーズやナスダックがうまくいくのかは、
まだまだ様子見ではないですか。)

私が考えるに、重要なのは、1)のファンダメンタルから乖離した
期待形成なんじゃないでしょうか。でも、80年代の人々にとって
失われた十年ともよばれる90年代を予想するのは、難しかった
ように思いますね。
6 :名無しさん@匿名キボーン:2000/08/21(Mon) 14:26
http://www.boj.or.jp/siryo/stat/discount.htm

公定歩合の推移はこの日銀のサイトに書いてありますが、
どうでしょう。
7 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/21(Mon) 15:36
では私もひとつリンクを。
http://www.boj.or.jp/ronbun/dps00.htm
みなさん既にご存知かも知れませんが、
ここで翁邦夫日銀金融研究所所長の論文、
『資産価格バブルと金融政策:1980年代後半の日本の経験とその教訓』が、
ダウンロード出来ます(2000-J-11)。
当時の様子を極めて詳細に分析していますので、
議論の叩き台にはもってこいですな。
8 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/21(Mon) 16:55
>こてはん29さん
あげられている3つの源泉のうち,第一の要因が中心である
と言うのが私の私見です.ただし,ファンダメンタルがなに
かについての定義はこてはん29さんと私で多少異なるとこ
ろがあるため,私は「バブル期にも資産にはファンダメンタ
ル価格がついていた」といったのです.

資産価格のファンダメンタルは
金利・インカムゲイン・インカムゲインの成長率・リスクプレミアム
から決まるというのが私の定義方です.おそらくこてはん29さんの
定義は3(場合によっては4も)含まない定義でしょう.(注:もち
ろんこれはどちらが正しいと言うものではないので注意して下さい)

もし,日銀の金融緩和が主要因であったならば,国内の全資産に対し
て正の影響が及ぶはずです.しかし,特に土地に関しては,バブル期
の価格上昇率に大きな差がある.端的にいうと,東京周辺(あと近畿
中心部がほどほど)の地価だけが急上昇したのです.金利は全国共通
ですから,資産価格高騰の主因が金利ならば,その影響がそこまで格
差をもって起こるとは考えられません.したがって,要因1,とくに
将来東京が世界の中心となるという(事後的に見れば)過剰な期待が
バブルの生みの親だと言う結論に私は達しています.
9 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/21(Mon) 17:00
>ぼけ老人さん(ってぼけ老師さんとは別人なんですか?)
リンク読みました.あれってだいたい標準的日銀見解ですよね?
ところで,同じ論文・記事をねたにしてみんなで話し合うっての
面白そうですね.2編で提案されていたメーリングリスト構想を
そういう形でやると,実りあるネットワークができるかもしれな
い.ちょっと乗り気になってきちゃった.
10 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/21(Mon) 17:34
>すりらんかさん
ファンダメンタルについての明快なご説明ありがとうございます。
確かに注意して使うべき用語ですね。

>将来東京が世界の中心となるという(事後的に見れば)過剰な期待

なんですが、大阪南部の住宅地のやリゾート開発をあてこんだバブルも
あったので、東京には必ずしも限らないとは思いますよ。
ただ、土地保有税なんかが早めに広範囲に課されていれば、
地価のバブルを防げたと思うので、足を引っ張っていた自治省あたりの
政策ミスはあるでしょう。

それと、日銀の書いたものを読むと、どうしても日銀の金融政策は
やむをえず、などと思ってしまうのですが、早めに公定歩合を上げて、
現状はバブルだと、強気の期待を冷ますようなシグナルをあたえる
ことはできたのではないかと思っています。
11 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/22(Tue) 00:03
>強気の期待を冷ますようなシグナルをあたえる
>ことはできたのではないかと思っています。
なるほど,これは確かに納得です.つまり,日銀の
金融政策自体よりも,それによるシグナリング(日
銀はこいつはバブルだとおもってるぞという宣伝)
の効果がバブルの発生を防ぐのに重要という話です
ね.確かに日銀にはその力はあったはずです.ただ
し,ちょいと日銀の味方しとくと,日銀は国民の信
任を得た機関じゃないから,独断で景気を左右する
政策をとるべきではないという意見もあり得るでし
ょう.最近では(ゼロ金利解除に見るとおり)そう
でもなくなってきているけど,今の流れもバブルを
防げなかった挫折感もてつだって,独立性を固めた
いという希望があるのかもしれませんね.
12 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/22(Tue) 01:06
>すりらんかさん
日銀はいつごろから、バブルだって認識していたのでしょうね。
高いPERは、バブルでなく株式の持ち合いで説明できるといってた
経済学者が確かいましたよね。

それで、現在の長引く不景気を考えれば、バブルの原因もいいですけど、
私が5-3)で書いた金融システムの問題、バブル期の金融機関の暴走と
その後、多額の不良債権をかかえて機能不全にになってしまった両者の
メカニズムの解明が重要だと思うのですよね。
80年代、金融自由化が叫ばれつつも、うまくいかなかったからかしら。

期待ということでいえば、91-2年頃、政府ではバブル崩壊後、景気が
一時落ち込むだけで、また元のように戻るのではないかとの見方が多数派
だったような気がします。
13 :?1/4?3?μ?3???1/2?1/4?L?{?[??:2000/08/22(Tue) 02:37
もっとキツイことをいえば、金融に銀行や証券会社は不要。
そんな危機が叫ばれて20年以上経つ。

そうはいっても急ブレーキはかけらんないから
金融工学やデリバティブなどが必要とされる、
役にたつのかは、オレにはわからないが、、、

製造業、流通業が金融会社化すること、
あるいはそれらが「価値」「富」それ自体になる
(貨幣、商品の境界が曖昧になる)
なんてなことも、、、
キーボード叩きながらの思い付きなんで批判希望~ん。
14 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/22(Tue) 03:24
>日銀はいつごろから、バブルだって認識していたのでしょうね。

(口を差し挟んで失敬)
バブル期の株価水準がサステイナブルでないと、
当時から論拠をあげて断言していたエコノミストというのは、
私が知る限りただ一人ですな。
政府・日銀とも明確な判断を控えていたといえるでしょうね。
植田和男教授がバブル崩壊前に、
'Are Japanese Stock Prices too High?'という論文を
JJIEに投稿していましたよ。
今から見れば慧眼だったわけです。

とにかくこてはん29氏の問題設定は極めて本質的ですな。
この問題は慶應の池尾教授あたりに持ち込めるといいのですがね。
15 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/22(Tue) 13:12
>ぼけ老人さん
どんどん、口を差し挟んでくださいよ。

ぼけ老人さんに誉めていただくととても嬉しいですね。
クルーグマンの調整インフレ論をめぐった議論が
まとめられている『マクロ経済政策の課題と争点』(東洋経済)
では、池尾和人先生は、産業構造調整の必要を述べておられますね。

ただ、私は、バブルが崩壊してしまったあと、どうしてこんなに
不況が長引いてしまったのかというのが、気になるのですよ。
宮崎義一『複合不況』(中公新書)なんかをもうちょっと、
良く読み直した方がいいかもしれません。

1973-74年頃も、日銀の政策ミスで過剰流動性から
インフレーションがおこったわけですが、その後も、
日本経済は、構造調整をすませ、すぐに適応したわけですから。
16 :ぽけっと2000:2000/08/22(Tue) 22:30
ぼくも横から口をさしはさみませてください(^^;)。
たしか日銀金融研究所の翁所長が若かりし(?)頃、『投機と期待の経済学』という本を書いてませんでしたっけ。
オランダのチューリップ球根以来、あとから見るとなんでそこまでっていう話だから原因究明難しいんでしょうね。

87年の株価暴落は一時的な金融引締めに対して二の足を踏む理由ではあるとおもいますが、ボケ老人さんが
おっしゃるようにこれがもとで10年の禍根を残したのではないんじゃないかとおもいます。
当時のより長期的な要因としてはアメリカの失業率が高い上に、財政赤字と資本収支の巨額の赤字が毎年金額も率も
増えつづけているという三重苦(ほんとは資本収支の「赤字」自体は別に悪くないんだけど)の中で、
もし日本の金利を上げちゃうと、それこそドーンブッシュのモデルじゃないけど短期的なオーバーシューティングに
よる資本逃避の可能性がありうるから、アメリカとしてはどうしても日本に金利上げてほしくなかった、日本も世界
の機関車論とかいって調子こいてたのでつい政策的な対応ができなかったというほうが、当時の状況をあらわして
いないでしょうか。

>3氏は87年株バブル崩壊とかかれていますが実際は90-91年、それまでは土地も株も資産として大インフレ期待
のなかにありました(トービン先生のq理論とか言って価格を正当化してたような・・)よね。そのあとは仰るように
すべてが資産デフレの逆スパイラル階段を転がり落ちていきました。あの当時なぜ資産価格だけにいったんでしょうね。
7でぼけ老人さんが紹介されている翁論文にはきっとその話が出てるのでしょうね。すいません、まだ読んでなので、
カキコおわったら見てみます。
17 :ぽけっと2000:2000/08/22(Tue) 22:31
>15 ただ、私は、バブルが崩壊してしまったあと、どうしてこんなに不況が長引いてしまったのかというのが、気になるのですよ
こてはん29さんだけではなくて僕もとても気になります。

バランスシート不況だとかいろいろ言われてるし、実感にもある程度そぐう話ですが、常識爆撃型戦闘機(笑)のKrugman先生の公式板を読んでると、Of course Japan has big structural problems. However, these have very little bearing on my argument, one way or the other.なーんていなされちゃいますからねぇ。
これ、ここの別板(Krugmanの公式サイト)のほうにカキコしたほうがよかったかな。このコメントは、Special page on Japanというのをクリックした後、Further notes on Japan's liquidity trap(June1998)というやつにでてきます。(あとJapan's trap (May1998)というのと、It's baaaackってのもある。)May1998のやつはすごく面白いとおもうのですが皆様のご意見は?
18 :ぽけっと2000:2000/08/22(Tue) 22:55
すいません、Dec1999のThinking about the liquidity trapってほうが新しいみたいですね。
(こっちは読んでないですが)。It's baaackってのもあるし、さすが絨毯爆撃機、書きちらかしてますねぇ(笑)。
でもそのエネルギーには脱帽です。このテーマけっこう先生気に入ってるんですね。
19 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/22(Tue) 23:00
>ただ、私は、バブルが崩壊してしまったあと、どうしてこんなに
>不況が長引いてしまったのかというのが、気になるのですよ
これは,経済学無関係に日本人全員の疑問でもあるでしょう.
私もどうしても(一貫しての)納得のいく説明に出くわして
ない.ただ,個々の急激な景気後退を1つずつみるとなんと
なくそれなりの解説が付いてる…….でも10年不況を全体
としてすっきり基礎づける議論には出くわさない,やっぱり
バブルの後遺症とかでまとめられちゃう.

そこでちょっと思いつきなんですが,バブル崩壊とその後の
不況は無関係という考え方は成り立ち得ないでしょうか.オ
イルショックは高度成長の締めくくりに起きた大事件ではあ
るが,高度成長を終わらせた原因ではないというような….
20 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/22(Tue) 23:53
>でも10年不況を全体としてすっきり基礎づける議論には
>出くわさない,やっぱりバブルの後遺症とかでまとめられちゃう.

確かに、バブルの後だから必ず深刻な不況が起こるとは
限らないですよね。政府も当初は、これほど長期化するとは
みていなかったわけですし、1973-74年のインフレーション
の後も、日本経済の構造変化は起こったでしょうが、スムーズに
安定成長に移ったわけですからね。

まあ、バランスシート不況とかいう金融システムにその原因を
求めるのが、私には一番妥当な気がします。それにしても
そのメカニズムは、はっきりしないですよね。

それにしても、すりらんかさんは、吉川理論がお好きですね。
でしたら、吉川先生も好意的な書評を書いておられた
篠原三代平『長期不況の謎を探る』(頸草)はどうでしょう。
彼は、「大型バブルとデフレの長期交代説」でこの不況を
説明しています。(確か、周期が50年ほどの長波)
だから、この不況は、波の不況期にあたっているためで、
政策的インプリケーションは、この時期だけケインズ政策を
つかって乗り切れば自然に景気回復するとかになるんですよね。(笑)
21 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/23(Wed) 00:18
>もし日本の金利を上げちゃうと、それこそドーンブッシュのモデルじゃないけど
>短期的なオーバーシューティングによる資本逃避の可能性がありうるから、
>アメリカとしてはどうしても日本に金利上げてほしくなかった、日本も世界の
>機関車論とかいって調子こいてたのでつい政策的な対応ができなかった

日銀がプラザ合意後、金融緩和していたのは、円高不況を防ぐためと、
おっしゃるとおり、アメリカの事情もあったのです。それと、忘れては
いけないのが、製造業なんかが金利を上げると円高になると輸出が
苦しくなるからやめてほしいとかいっていましたよね。

それで、景気と為替レートに配慮して金融緩和を続けていたら、
そのしわよせが、物価でなく資産価格にいってしまったという
ことでしょう。貿易財なんかは、当時、円高だったため、
価格を上げられなかったということがあったはずです。
それで、日本経済への強気の期待も相俟って、あまったお金が
株式、そして土地に向かったのですよね。
22 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/23(Wed) 02:29
バブルの生成原因に関しては正直なところ、お手上げですな。
ただ、こてはん29氏の見解は現段階における標準的な認識ですし、
政府・日銀とも氏と同様の解釈で落ち着いて(?)いると思いますな。
少なくとも当時の状況を端的に言い当てているでしょう。

ところで。
バブル後の10年間に渡るゼロ成長時代についての
理論的な考察をしてみてもよいですかな。
言い換えると「なぜ構造調整は進まなかったか」という
根源的な問いについてです。
死ぬまでには本気で取り組みたいものですなあ。

まず。
過去10年間日本は「不況」であったのかと聞かれたらどう答えますかな?

もし不況であったのなら、ある程度ケインズ的な不完全市場についての
理論を適用すべきですし、不況ではなく潜在的な成長力そのものが
低下したと考えるなら、成長論(恐らくは内生的成長論)を持ち込むことが
適切と言えるでしょう。
そういう理由でここが最初の分岐点というわけです。
「両方」と言う答えが案外正解かも知れませんが、
個人的には前者に重きを置いて考えようと思っています。
そういえばこの板はケインジアン的な人が多そうですなあ。
23 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/23(Wed) 16:42
>バブルの生成原因に関しては正直なところ、お手上げですな。

どこが、一番不分明なんでしょうかねえ?やはり、
日銀の金融緩和が資産のみの価格上昇につながったという
点なんでしょうか?
ようやく、翁さんのレポートきちんと読んでみました。
物価上昇が大きくなかったことについては、円高と
「輸入の安全弁効果」に触れていますね。
残りは、資産に対する期待や土地税制なんかで説明するほか
ないでしょうね。

それで、バブル期の政策に関連することをまとめておけば、
1)日銀の早めの金利引き上げについては、翁さんのレポートの4-2)ハでも
認めていますね。
2)土地保有に有利な税制(大蔵、自治、建設etc)を何とかしておけば良かった。
3)間接金融から直接金融への流れと、資金移動の国際化に備えて、
早めに、金融システムの改革を進めておけば良かった。(大蔵)
あたりでしょうかね。
24 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/23(Wed) 17:01
>バブル後の10年間に渡るゼロ成長時代についての
>理論的な考察をしてみてもよいですかな。

どうぞどうぞ、ぼけ老人さん、お願いしますよ。
構造改革を言い出すと、供給能力を効率化したら、かえって
不況が進むだけだとかいうケインジアンお決まりの反論が
出てくるわけですが、金融システムについては、そもそも
経済活動を阻害している可能性が高いので、そうした反論
が妥当しにくいのではと私は思っています。

この板には、ケインジアンというより、吉川洋先生の信者が
多いみたいですので、吉川洋『転換期の日本経済』(岩波)を
たたき台に、議論を進めるのも良いかと思います。その2章では、
不良債権問題よりも、設備投資の落ち込みを重視すべきでは
ないかとの話がでています。

既出、篠原三代平大先生にしても、(長期サイクルの話は、おいて
おくとして)、バブルを伴う景気の過熱による過剰投資が、その後の
不況をより深刻化させるといった「過剰投資説」を述べておられ、
その点においては、吉川先生と近いのではとみております。

とりとめもないラフな話しかできないですが、もう少し色んな話を
出して議論を深めていきましょう。
25 :ぽけっと2000:2000/08/23(Wed) 17:14
>そういえばこの板はケインジアン的な人が多そうですなあ。

こてこてのマネタリストの名を冠するもとMilton教授あらため(てるわけじゃないか(笑))
ぼけ老人さんの御意見をぜひお聞かせください。
26 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/23(Wed) 17:45
ちょっと、休憩。

「信者」という言い方は失礼だったかもしれません。>24
ファンとでもしておけば、穏当だったかもしれませんね。
吉川先生の書かれたものは、日本経済に対する鋭い洞察を
含んだものが多いので、皆さんにおすすめです。(建前でなく、
本当にです。)しかし、一方、
”経済はすべて「需要」で決まっていく、ケインズ理論は「まったく正しい」”
”消費は需要の四番バッター”
”リーディング・インダストリー”
”経済成長は「長期」の問題だからサプライ・サイドの要因で決まる、
というのが経済学におけるスタンダードな理解である。しかし
わたしはそうした考え方をとらない。”
etcの吉川語録ファンの人は少なくないことと思います。
27 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/24(Thu) 02:26
ちと本題に入る前に。
>26
いやあ。
改めて読むと吉川語録、かなりインパクトありますなあ(笑)。
学説の内容は別次元として、吉川先生は学者として教職者として、
間違いなく尊敬に値する方ですからねえ。
(高校が同窓のU教授とはえらい違いですな・・)
私は自分で新古典派だと思っているわけではないですが、
周りに吉川ゼミ一派が異常に多く、そういうふうに思われがちですな。
RBCのシミュレーションなどやると白眼視されたりします(笑)。
私も吉川さんの弟子と言えば弟子なんですがねえ・・。
28 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/24(Thu) 02:34
さて本題。
以下はぼけ老人の勝手な推論ですのであまり真に受けないで下さいね。

私が考えている仮説の大枠は概ね以下のようなものです。
まず、バブル期を境とする0年代以降、日本経済の構造調整を
促すような、「外生的」ショックが生じたと考えます。
候補としては、
(1) 世界的な要素賦存量の変化(例えばアジアの安い労働供給の増加)や、
(2) 選好の変化に伴う財の相対価格の変化(情報やサービスへの需要シフト)、
(3) 海外の生産関数のシフトに伴う財の相対価格変化(米国のIT技術革新など)
が挙げられるでしょう。

エッジワースのボックス・ダイアグラムを思い出して下さい。
あるいは生産可能性集合(Production possibility setです。
貿易理論を持ち出すまでもなく上に挙げた与件の変化は価格調整のメカニズムを
信じる限り、経済を新しい均衡に移動させ生産要素は完全利用されるはずです。
ところが。
この生産可能性集合の内部に止まったまま浮上できないのが
ここ10年の日本経済の姿だと思える訳です。
ここまではある意味極めてオーソドックスですな。
(つづく)
29 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:00
ドキュソNO1氏も指摘するように、90年代の日本経済は、
生産要素のミスアロケーションが拡大していた可能性が大です。

理論的には生産可能性集合のフロンティアに均衡が乗っていないことを意味します。
現実的に言えば、極端な例としては、かつての農道空港や「ふるさと創生金」、
などなどの無駄な公共事業に始まり、金融機関が瀕死の衰退産業に延命融資を
繰り返す一方、若くて技術力のある企業が資金繰りに苦しんでいるような状態を指します。
あるいは生産性の低いデパートに大量の資本が結びつくことと考えてもらっても構いません。

では何故、資本市場が上手く機能しないのか?
資本が効率的に再配分されないのか?
資本市場といえば株式市場や債券の市場を思いつく人が
多いかもしれませんが、我が国では資本の配分は市中銀行が
貸出市場を通じて担ってきたという歴史的経緯があります。
30 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 02:08
ぼけ老人さんのつづき、楽しみにしています。

まず、90年代が生産性の低下ではなく、不況だったという点では、
私は賛成です。ただ、どの統計を根拠にすればいいでしょうかね。

それで、ぼけ老人さんは、「外生的」ショックが生じたと
仮定しているわけですね。

ただ、構造調整を求める外生的な変化でしたら、バブル崩壊前まで
遡って考えてみてもいいかもしれませんね。

どうぞ、話の続きをとても楽しみにしています。
31 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 02:13
いれちがいでしたね。>ぼけ老人さん

>では何故、資本市場が上手く機能しないのか?
>資本が効率的に再配分されないのか?
>資本市場といえば株式市場や債券の市場を思いつく人が
>多いかもしれませんが、我が国では資本の配分は市中銀行が
>貸出市場を通じて担ってきたという歴史的経緯があります。

ポイントの一つはここにありますよね。

それで、それで。
32 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:16
その意味でドキュソNo1氏の指摘する、
「金融機関の審査力」の強化は極めて重要だと思うわけです。
ただ審査力の強化と言うか・・。
そもそも邦銀は過去何十年もの間、企業の将来性など無視して
不動産担保のみを見てきたに過ぎません。
あるいは中小企業なら社長個人の資産状態(!)をチェックして
融資を決めてきたのです。
世界的に見てそういう組織を金融のプロとは言いません。

しかし。
地価が右上がりの成長を続ける状況下ではそれも悪くない戦略だった言われれば
肯けるモノもありますが。

さてそんな中で。
日本経済をバブルの生成と崩壊が襲います(原因は不明ですが)。
結果、地価の右上がり神話は消滅し、借手企業、貸手金融機関とも
自己資本(純資産)を大きく毀損することとなりました。
これは経済理論で言うところの「情報の非対称性」を著しく拡大させる効果を持ちます。
私はこの「情報の非対称性の拡大」から生じるコストこそが、
日本経済の血液である与信の循環を阻害して、資本の再配分機能を麻痺
させたボトルネックであると考えています。

(というわけで各位の反応があるようなら次は処方箋について考えてみます。)
33 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 02:25
処方箋も分析も色々やっていきましょうよ。

確かに、バブル期に不動産だけをみて融資していたのは不可解なんですよ。
今でも、お金を借りたい中小企業は、商工ローンにいかないとだめ
なんですから。

あと、資金を必要としている相手がこれまでの、伝統的な大企業
なんかから変わってきたということも考えた方がいいかもしれませんね。

高度成長期には、資金需要が旺盛なため、とりあえず貸し付けの
ための資金を低利で集めさえ出きれば、あとはなんとか配分できて
いたのですけどね。

>借手企業、貸手金融機関とも
>自己資本(純資産)を大きく毀損することとなりました。
>これは経済理論で言うところの「情報の非対称性」を著しく
>拡大させる効果を持ちます。

もしよろしかったら、ここを詳しく説明していただけない
でしょうか。

何か楽しくなってきましたね。
34 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:29
処方箋に行く前にもうひとこと。

つまるところ日本経済の金融市場というのは、
圧倒的な(present valueで見た場合の)自己資本が存在して
初めて機能するシステムだったわけです。
金融市場というのは中古車市場のように宿命的に情報の非対称性が
存在する場所であるはずなのに、日本に限っては必ず不動産担保の
時価評価は必ず値上がりするという「旨い話」があったため、
情報の非対称性をコントロールするノウハウが全くといっていいほど
形成されてこなかったわけです。

IT産業は日本の伝統的な4番バッターである重厚長大型製造業と違って、
必ずしも巨大な設備投資を必要としません。したがってこれから必要なのは、
不動産担保と銀行の巨大プロジェクト融資のコンビネーションではなく、
雑多な「アントレプレナーズ」の中から担保の有無に関わらず優良な
「芽」を見分ける「眼」です。そして小口の優良な融資先を上手に見つけ出し、
貸出債権をデリバティブで合成して上手にリスクヘッジをかけ、
個人投資家に安全な金融商品を販売する「腕」です。
これが21世紀の金融機関の有るべき姿だと私は考えています。

というわけで次は即効性の処方箋について考えてみます。
35 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:36
>こてはん29氏

私の独り言を静聴して頂いて嬉しいですなあ。
「情報の非対称性」の件はアカロフの「レモンの市場」や、
ほとんど同様のスティグリッツの'Credit rationing'のモデルがあります。
近日中に少し紹介したいと思います。
ただ、もし私以外に紹介できる人がいれば、お願いしたいと思います。
36 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 02:43
情報の非対称性って、貸し付けるときの審査の非対称性
のことを指すんですよね。そうしたら、審査にあたっての
会計の整備とかそんな問題もでてきますね。

むしろ、そんな金融システムでなぜこれまではうまく
いっていたのかも、興味深い論点ですよね。
ちょっとその辺を考えてみますね。

一般に、開発途上の国って、貸し付けるべき資金が
不足していることの方が大きいんですよね。

それで、大きなプロジェクトは世銀なんかからも借りていた
わけですが、メインは将来が不安な国民の貯蓄だったわけです。
それを、郵貯という形で財投に回すとともに、大蔵省の規制の下
低金利で集めてそれを貸していればよかった。たぶん、審査の
問題が大きくならなかったのは、資金需要が大きかったため
あまり変なところに貸すことはなかったからでしょう。しかし、
バブル期には、不動産担保があるというだけで、怪しげな
ところにまで貸さざるを得なかったのですね。
37 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 02:49
情報の非対称性の解説そのものは不要です>ぼけ老人さん

信用割り当てのモデルって、
ロスチャイルド=スティグリッツの論文じゃありませんでしたっけ?
(こっちは、内容も忘れていますが)
それを、日本の金融システムの話に応用するのですか、
それは面白そうですね。
38 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:53
>36
あまり大きな声では言えませんが、
ここならいいでしょう。
怪しげといえばです。
昔、日本K発銀行という政府系銀行がありまして(今は別名)。
名前の通り開発・成長に必要な資金供給をするのが役割なんですけどね。
バブル期にはなんとスキーリゾート(!)に民間銀行と共同融資しています。
にも関わらずこの銀行には不良債権は多くはありません。
その理由にはもちろん(?)カラクリがあります。
ちょっとここではなんですから知りたい方が
いるようならMLででも流しますかねえ。
39 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 02:55
>37:こてはん29氏
これは失礼。
釈迦に説法というわけですな。
2chになれているものでつい・・。
失礼を詫びます。

そういうことなら続きは処方箋編で後日。
40 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 03:03
>37
失礼を詫びておきてながら蛇足を一つ。
Rothchild&Stiglitzというのは保険市場のモデルで、
私が指したのはStiglitz&Weissの貸出市場のモデルです。
ただ本質的なメカニズムは似た部分が多いです。
41 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 03:13
いえいえ、ご指摘ありがとうございます。>ぼけ老人さん

スティグリッツの論文は、単著じゃなかったようなという
朧気な記憶を元に、見栄張って、格好つけてただけです。(笑)

ただ、80年代には、ITはまだでしたけれど、経済の
ストック化という話はあって、企業なんかも自前で
資金調達できるようになってきた時に、(日銀の金融緩和
とは離れて)かき集めてあまった資金(いわゆる金余り)を
有効に活用せねば、って話は一部にあったと思うのですよね。

で、どんどんいきましょう。
42 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/25(Fri) 03:29
>こてはん29氏
もしかして日本K発銀行(というか日本xxxx銀行)の方ではないでしょうね?
ネットは怖いですからなあ(笑)。
43 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 03:45
違いますので、ご安心なさいますよう>ぼけ老人氏

でもあの銀行も使命の終わった銀行ですよねえ。
まあ、設投研にはがんばってほしいですけどね。

売れない他の国有銀行と合併して、ベンチャー向け
融資なんかしたら、いいんじゃないかと思うのですけどね。
44 :ドキュソNo.1:2000/08/25(Fri) 17:57
不束ながらひとこと。

バブルの生成と崩壊が、果たして現在の不況の原因と言えるのでしょうか?
原因は別にあり、バブル崩壊はそれを(大幅に)助長しただけではないか、
という気がします。問題は資源再配分構造にある、というのが私の当て推量です。

こてはん29氏の

>高度成長期には、資金需要が旺盛なため、とりあえず貸し付けの
>ための資金を低利で集めさえ出きれば、あとはなんとか配分できて
>いたのですけどね。

というのは、バブル前とバブル後を比較するうえで実に示唆に富んだ
指摘だと思います。
45 :ドキュソNo.1:2000/08/25(Fri) 18:01
もうひとつ。

別ツリーでのぼけ老人翁(ダブリ(笑))がご指摘の、

>ただ通常、価格調整のメカニズムが健全に機能すれば、
>生産要素は効率的に配分されるはずです。

という要素も、こてはん29氏の上記コメントと合わせ
一度熟慮してみるべきでしょう。
このふたつのコメントが示唆するものこそ、日本の体たらくを分析する上での
キモではないでしょうか?
46 :へなへな[へなへな]:2000/08/25(Fri) 18:22
はじめまして、へなへなともうします。
バブル後とのことですが、Fisherの債務デフレとか、
Bernanke&Blinder(1983かな)があつかってた

資産取引への融資増加→銀行貸出大→資産価格暴落→不良債権大
→金融仲介機能低下→信用割当がはげしくなる→金利のチャネルが機能しない
というところと、

生き残った企業が、多少利益がでても、銀行の返済に回ってしまうために、
マネーサプライが銀行部門に吸い込まれていくというのが問題のような気が
します。
47 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/25(Fri) 23:38
いえいえ、こちらこそはじめまして>へなへなさん

>Fisherの債務デフレとか、Bernanke&Blinder(1983かな)

この辺、私不勉強なもので知らないのですけれど、
Mankiw&Romer(1991)の論文集に入っている話なんでしょうか?

>資産取引への融資増加→銀行貸出大→資産価格暴落→不良債権大
>→金融仲介機能低下→信用割当がはげしくなる→金利のチャネルが機能しない

これは、ぼけ老人さんが話そうとしたものと同じことなんでしょうか。
(信用割り当ての話もよろしかったらお願いします>ぼけ老人さん)
端的には、、間接金融中心の従来の金融システムが、バブルがぶつかった
ことで、壊れてしまったという話なんですよね。

つまり、高度経済成長も終了し、経済のストック化が進む80年代に
金融システムの構造調整がうまくいかず、暴発してしまったということ
なんでしょうか。ですから、もしバブルがなければ、緩やかに構造調整を
遂げることもできたとの可能性も考えられませんか?>ドキュソNo.1さん

いろいろ議論が出てきて面白くなってきましたね。
48 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/26(Sat) 01:02
>へなへなさんコンバンワ。
眼のつけどころが鋭いですなあ。
Credit Channelの論文が多々ある中、Bernanke & BlinderのAER論文は
80年代のAERという大舞台であるにもかかわらず、IS-LMの知識があれば
完全に理解できるという簡潔にしてメッセージ性の高い論文です。

Bernanke&Blinderは完全なマクロ論文でして、私が言及した
Stiglitzモデルはもう少しミクロっぽいものです。
逆選択の理論をそのまま貸出市場に応用し、金利を上げ過ぎると
「悪貨(劣悪な借手)が良貨(優良企業)を駆逐する」的現象が起きるため、
金融機関は金利をあまり上げることなく数量割当(=貸渋り)を行う・・、
というモノです(あまり詳しい説明は不要でしょうかね)。
このような貸出市場でのミクロ的行動をIS-LM体系に埋め込むと、
マクロ経済全体で何が起こるかをpredictしたのがBernanke&Blinder論文である、
と言って差し支えないと思います。

というわけでして、
へなへな氏の指摘するようなcredit channelの機能不全がマクロ的な
資本の配分機能を麻痺させてしまった一つの元凶である、というのが、
私の見解の大筋と言うことになります。
49 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/26(Sat) 01:12
ちと蛇足を。
Bernanke & Blinder論文はcredit channelのコンテクストでは
極めて重要なポジションを占める論文ですが、前述の通り、
明快なロジックを用いており、モデルもシンプルです。
確か、量的にも3、4ページだった気がします。
もし卒論のテーマが決まっていない学部の学生さんがここを見ていたら、
是非、一読することを薦めます。インスピレーションが得られるかもしれませんよ。
それに卒論の参考文献にAERがあるだけでも見栄えがしますしなあ(笑)。
50 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/26(Sat) 17:18
私もなんとかがんばってついてきますのでよろしくお願いします。

さて、Bernanke and Blinder (1988)の論文とは、
"Credit, Money, and Aggregate Demand" AER, 78(2), p.435-39.
のことを指しているのですよね。がんばって目を通してみます。

それで、ぼけ老人さんのいうStiglitz & Weiss (1981) AER論文
の話なんですが、申し訳ないのですが、私には、もう少し説明を
要するようなので、もしよかったらお願いします。

貸し手と借り手の間の情報の非対称性から、割り当てにならざる
をえないという原理は、了解しました。ただ、それですと、割り当て
が起こる前提として、銀行側は、借り手の情報を把握していなかった
と仮定することになりますよね。このこととメインバンク・システム
との整合性はどうですか?銀行は、情報の非対称性が生じないよう、
役員なんかに人間を送り込んでモニタリングしていたわけですよね。

銀行は、貸付先の財務内容を知悉した上で、バブル期に、
一緒になって無謀な行動をとっていたという可能性も
考えられると思いますがいかがでしょう。
51 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/26(Sat) 18:05
>こてはん29氏
Bernanke & Blinderはそれです、はい。
Stiglitz&WeissもAERでしたかなあ。
忘れてしまいましたよ(笑)。
分厚いですから読むのはかなり億劫ですよ。
B&B論文だけでいいと思います。

メインバンク制の件は一理あると思います。
しかしそこが逆に盲点とも言えませんかねえ。
つまり。
経済が安定しており、構造変化が求められていなければ、
昔からの付き合いの会社の不動産担保をきちんと押さえておれば
それでよかったわけです。
大したモニタリングも必要なくある意味コスト節約的です。
(銀行も無謀だったというのもあると思いますがそれは犯罪に近いですな!)

ところが。
経済が新しい均衡に移らなければならないような構造変化が求められている場合、
群雄割拠の次世代リーディング産業界から新規の優良な借手を探してこなければなりません。
あるいは新規の雑多な借手を多く抱えながら損失を最小化するような、
リスク・マネジメントが重要になってきます。
邦銀にはこういったノウハウが決定的に不足している中、
不動産担保の大量の評価損が起こったとしたらどうでしょうか?
52 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/26(Sat) 18:51
>昔からの付き合いの会社の不動産担保をきちんと押さえておれば
>それでよかったわけです。大したモニタリングも必要なくある意味
>コスト節約的です。

long-run relationshipがあれば、モニタリングのコストも低いわけで、
メインバンクシステムも情報の非対称性を取り除き、効率的だったと
考えます。(ただ、価格メカニズムが働いているというのとは違うで
しょうね。)

>経済が新しい均衡に移らなければならないような構造変化が求められている場合、
>群雄割拠の次世代リーディング産業界から新規の優良な借手を探してこなければなりません。

もう少しここは丁寧に考えてみてはどうかと思います。
まず、80年代に生じた構造変化とは何なのかということですね。
もちろん、日本経済が十分に資本蓄積をしてきてストック化が
進んだということはありますが、28での指摘の変化は、どれが
生じたと思われますか?
IT産業っていうのは、やはり90年代後半とみてよいのでは
ないでしょうか。また、リーディングセクター(by吉川洋)って、
80年代には、その姿は片鱗たりとなかったと思うんですよ。
むしろ、豊かになった国民にとって、リゾート開発なんかのほうが
有望に見えていたかもしれませんし。

(いつのまにか、本題のバブル期に戻っていますね。)
53 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/27(Sun) 00:57
>52
そこが正直、頭の痛いところです。
金融の部分は実証でも証拠が出るのですが、
構造変化圧力の時期と正体というはなかなか特定出来ずにいます。
データをいろいろ弄っても奇麗に出て来ないのですよ。
恐らく80年代ではないでしょうねえ。
巷で「メガ・コンペティション」などと呼ばれている現象は、
構造変化圧力の一つの具現だと思いますが90年代(バブル以後)でしょうなあ。
Mんぷす氏が言っていた「ベバレッジ曲線のシフト」等の傍証は出るのですが、
決め手に欠けるので今日まで論文という形に出来ずにおわっとるわけです。

いずれにしても80年代は不動産価格が高いですから、
メインバンク制とあいまって向かうところ敵なしだったわけですね。
(もっともメインバンク制に異論がある経済学者は結構いますが)

「リーディング産業」というのは吉川先生のコンテクストほどの
意味はないです(笑)。構造調整後に比較優位となる産業種という意味だけです。
貿易論で「ストルパー・サミュエルソンの定理」というのがあるでしょう。
あれですな。
54 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/27(Sun) 01:21
>恐らく80年代ではないでしょうねえ。
>巷で「メガ・コンペティション」などと呼ばれている現象は、
>構造変化圧力の一つの具現だと思いますが90年代(バブル以後)でしょうなあ。

90年代に入って、冷戦が終結したのが大きいでしょうね。
あと、いろんな意味で情報が即時に全世界に流れるように
なりましたからね。

>(もっともメインバンク制に異論がある経済学者は結構いますが)

確かに、バブルへの影響を含め、これって、もう少し再考が必要ですよね。
バブル期の株高を正当化していた、株式の持ち合いとかもね。
これらって、一歩間違うとクローニー資本主義って批判されても
反論できないですから。

>貿易論で「ストルパー・サミュエルソンの定理」というのがあるでしょう。

貿易論ということでいえば、80年代後半に円高が定着したのは、
構造変化を考える上で、見逃せないと思いますよ。産業の空洞化とか
盛んに言われていたわけですし、それを恐れて金融緩和を行っていた
わけですからね。

国内にリーディングセクターを作るのも悪くないですけれど、
対外投資というのも可能性としてはあったと思います。ただ、
土地なんかにお金をつぎ込まずに、対外投資にしていれば
よかったかは、不明ですね。
55 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/27(Sun) 03:48
80年代の円高ですか。
あの頃からですなあ。対外直接投資が急に増え始めたのは。
当時から構造調整圧力というのはあったのかもしれませんねえ。
しかしデータをいろいろ調べても「これだ!」というふうに
決めるのは実に難しいのです。

>国内にリーディングセクターを作るのも悪くないですけれど、
と言いますか新古典派的には(新古典派ですので:笑)、
完全に空洞化するということは有り得んわけですな。
比較優位というのはあくまで「比較」優位ですから、
どこかの産業は必ずシェアを増す筈なわけですよ。
もしかするとそれは農業かもしれませんしリゾート観光産業かも知れません(笑)。

ただこてはん29氏の言われる対外投資はいい選択であるかもしれませんね。
というのはどうせ日本は少子高齢化していくからです。
不労所得で暮らす生活は楽しそうですな。ただ為替次第で大損するのが心配ですが・・。
ちゃんと運用してくれる投信がいればいいですけどねえ。
56 :ぽけっと2000:2000/08/27(Sun) 06:00
ぼけ老人さん、
>貿易論で「ストルパー・サミュエルソンの定理」というのがあるでしょう。
>あれですな
横からムダ口をひとこと。これ現在の金融セクターそのものにあてはまるかもしれませんね。
自由化・規制緩和(=自由貿易に相当)でどっと競争力のある外資系銀行なるものが乗り込んできちゃって、みんな蹴散らされちゃうとか(笑)。

ぼけ老人さん、こてはん29さんたちのこのスレの議論はとても面白くて勉強にもなるのでROMながら応援しております(^^;)。
横口失礼しました。
57 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/27(Sun) 19:49
「ストルパー・サミュエルソンの定理」とは、財の価格が変化したときに、
その生産要素の価格がどうなるのかっていう話ですよね。だから、金融部門
に、外資系の銀行が入ってきて、金融サービスの価格が変化したときに、
金融部門での生産要素(例えば、労働)の価格(賃金)がどう変化するかを
みる定理でしたよね。まあ、私の解説なぞより、
クルーグマン=オブスフェルドの教科書でもお読み下さい。
(ROMだけでなく、横やり歓迎ですよ。>ぼけっと2000氏)

で、そういう意味では、日本経済がさらに発展するという期待の元では、
日本国内の非貿易財の価格が上昇すると予想されるので、(貿易財の
価格は上がると思われていなかったから、物価は安定していたんです
けどね。)その生産要素(つまり、土地)の価格が上昇すると予想する
のは、自然なんですよね。

ただ、80年代後半に、強気の期待に比すると、日本の潜在成長率が
下がっていたのでしょうね。一方、対外直接投資は増えてきたわけです。
ですから、バブル期には、(事後的には)誤った期待を除けば、
それほど、資源再配分の非効率性はなかったのではないでしょうか。

それと、銀行は、借り手の情報を把握していなかったというより、
強気の期待を共有していたとも考えられませんか?
むしろ、大蔵・日銀と銀行の間にあった情報の非対称性、つまり
モラル・ハザードがあって、それで、暴走してしまったとの可能性が
高いかと思います。(単に、他行が積極的だから、ウチもという、
非合理な意思決定がなされていた可能性もあるんですが…。)
58 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/27(Sun) 22:22
いや、夏休みでウロウロしている間に、なんかホントに専門的な掲示板になってきて
ますね。15年もまともに勉強してない僕は落ちこぼれそう・・・だけど、ネタは、
情報の非対称性とかで、ダイヤモンドやらスティグリッツやらアカロフで、まだなじ
みがあるねー。

ところで、バブルの原因ですが、そんなに難しいことかしらん?貯蓄投資バランスを
考えれば、ああならざるを得なかったと思うよ。家計貯蓄率は80年初期の異常な高
水準から下がったけど、結局60年代の10〜15%というところに落ち着いた。経
常収支黒字/名目GNP比率は4%になるとアメリカがヒステリー。しかも財政再建・
小さな政府ブーム。こうなると、住宅投資を含め国内民間投資を増やさないとバラン
スとれない。ところが、土地政策はでたらめ、産業政策も規制緩和は遅く、本当に収
益性のある投資機会は増加しなかった。残る手段は、みんなで収益性のあるような気
になって設備投資する=バブルという図式はどうだ?

( 役に立った! | 元スレ )
59 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/28(Mon) 04:41
いやあ。
バブルの発生メカニズムについてはわたしはホントに分からんのですよ。
その後の日本経済がなぜ自律回復デキナイかと言うことの方が大事な気もしますし。
(それはMLでやるということですかな・・)
そもそも合理的バブルというのは大小規模は別としていつでも
どこでも起きうるわけでして・・。

今日は別スレで体力使い果たしたのでまた来ますです。
60 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/28(Mon) 16:27
>58:ドラエモン氏
ううむ。
「設備投資=バブル」ですか・・。(「不動産投資」では?)
バブルというのはもっとマネタリーな現象かと思っとりましたが。
つまり必ずしも資本ストック形成に結びつかない用地取得等(転売)に
金が流れた面もあると思いますが・・。
もしドラエモン氏の言われるのが真相であるなら、
もっとリアルな過剰資本蓄積(=dynamic inefficiency)の問題になりますぞ!?
我が国の資本蓄積がgolden ruleを超えているという実証研究はあまりないと思います。
勝手なことを言って申し訳ない気もしますが、
私はバブルの生成過程については全くノーアイデアでして・・。
教えてもらえると嬉しいです、ハイ。

「起こってしまったバブル」後の日本経済絶不調のメカニズムについての私見は、
過去レスで述べた通りですが、そろそろ処方箋についても勝手な意見を
書いたりしようかなと思っとります。
61 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/28(Mon) 16:38
>ぼけ老人御大
いや、結果的には不動産投資なんです。要するに土地集約度の高い設備投資が
大量に行われたということ。だから、設備投資の向きが変われば、いわゆる過
剰三兄弟が居座ってるのに最近みたいに設備投資が急増したりする。

ただ、80年代バブルの原因は、リアルなものだと思いますよ。マネーは結果
として付いてきた部分が大きいと思う。
62 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/28(Mon) 16:48
続き

そもそも、90年代の「絶不調」を予測できなかった理由の一つが、この設備
投資の筋の悪さを認識してなかったことでした。<自分のこと。

日本のGDP統計では、民間企業設備投資に関して機器設備と構築物の区別が
ないからよく分からなかったけど、93年ころからその手のデータを見れるよ
うになって、如何に凄まじい建設ブームだったか改めて認識しましたけど、マァ
手遅れだったですね。我ながらニブイ。
63 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/28(Mon) 17:00
>62
しかし建築着工統計を見れば土地、ウワモノの区別はつきますよね?
ううむ。
確かにきっかけはリアルだったかも知れませんが、
日本の資本ストックは総量としては過剰ではないと言えるとすると、
リアルな投資が問題ではなく最終的なSNAベースの資本になる前に、
転売で不動産価格だけが高騰したことが特徴的なのではないのですかねえ・・。
64 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/28(Mon) 17:12
>63に自己レス
建築着工統計の件はちょっと自信がなくなりましたなあ。
あれは明確な区別は分からんのでしたかな。
ただ、着工床面積と工事費ベースの数字がありますから、
かなりの程度推計はできるはずですな。
あとは建設省に内緒で聞くんでしたかな(笑)。
住宅着工統計だったら覚えとるんですが・・。
やはり歳かもしれませんなあ。
65 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/28(Mon) 17:14
>63
>建築着工統計を見れば土地、ウワモノの区別はつきますよね?
そりゃそうなんだけど、80年代に気が付かなかったということです。93年
頃になって気が付いたんだけど、生産能力指数とか上がってなくて、非製造業
投資のシェアが高かったのがその証拠だったんですよね・・・。うぅ。不明を
恥じてるんだからあんまり虐めないでください(泣)

>リアルな投資が問題ではなく最終的なSNAベースの資本になる前に、
>転売で不動産価格だけが高騰したことが特徴的なのではないのです
>かねえ・・。
いや、投資のタイプによって土地集約度違うんでないですか?ゴルフ場とか
リゾートホテルあるいはハウステンボスさらにシーガイア、こいつらみんな
設備投資でしょ。その意味では、いまのSNAベースの民間企業資本ストック
統計って、ある意味でもの凄く過大表示されてるということになると思ってる
んです。
66 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/28(Mon) 17:33
>いまのSNAベースの民間企業資本ストック
>統計って、ある意味でもの凄く過大表示されてるということになると
>思ってるんです。

いやおっしゃる通り!
日銀が推計して公表してますな。
市場価格で再評価した資本ストック統計の作成という地道なことやってます。
ああいう地味な仕事は出来ればやりたくないもんですなあ(笑)。

でもですよ。
陳腐化した資本ストックが多いと言うこととバブルがリアルということとは、
違うように思うんですけどねえ。リアルな資本ストックは配分が
おかしいだけでgolden ruleを超えていない以上、過剰とは言えんわけですし・・。
67 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/28(Mon) 17:58
いや、バブル全体がリアルといってるわけじゃなくて、きっかけがリアルだ
ということを言いたいんですが・・・。円高と原油価格の急落で生じた大幅
な交易条件の改善が、流通過程の合理化の遅れと相まって、いわゆる内需産
業に膨大な一時的な利得を引き起こし、これが国内既得権益全般のレント上
昇の「ファンダメンタル」な原因となったという筋なんですが、どうでしょ?
68 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/28(Mon) 20:18
>おまけ
今手元にないけど、建設物価調査会とかの出してる定期刊行物に、SNAベー
スでの建設投資の推計値が出てる。
69 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/29(Tue) 04:58
>67ドラエモン氏・・
うーむ。いや私はホントにこれについては分からんと思っとるのですが、
それは原因が一つに絞りこめず、実証分析で因果性を検証するのが
難しいからという面が大きいのですよ。
67の内容に特に異論があるわけでもないですが、例えばそういうマクロ的な
ショックが唯一の原因だととして、地価が大都市圏(というか結局都内)でしか、
高騰しなかったことはどう説明されます?

バブルと言うのはサステイナブルな特殊解からちょっとだけ外れれば、
いくらでも起きるモノです。その「外れ」となりうる要因は経済白書でも
日銀月報でも詳細かつ網羅的に挙げられとりますよね。
より重要なことは「外れ」を雪だるま的に増幅させてしまった(=amplifyした)
メカニズムだと思うわけです。バブルの引き金がなんであったとしても
特殊解径路から大幅な乖離を生まれなければ、別に問題はなかったわけ
ですからねえ。

そう考えるとやはり金融機関の行動がキーになりますし、先にちょっと触れた、
清滝さんの「クレジット・サイクル論文」のような、
「外的ショックが金融システムを媒介して増幅されるメカニズム」
についての分析が日本の学界・シンクタンクとも不足しとると思うわけです。

この「増幅回路」のスイッチを切っておかないとまた同じコトが起こるやも知れません。
70 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 08:27
>69
>地価が大都市圏(というか結局都内)でしか、高騰しなかったことはどう説明されます?

確か、私の記憶が正しければ(料理の鉄人か?)、87年までは東京都心だけ
で地価上昇が著しく、ブラックマンデーでいったん沈静。その後、大阪圏に地
価上昇は移動し、ますます根拠無き地価上昇に転じていったように思います。

>「外的ショックが金融システムを媒介して増幅されるメカニズム」
日銀の金融調整方式に引きずられた金融政策運営そのものが、ウィクセル的な
累積過程を引き起こす原因ではないのでしょうか?実質期待利子率とか実質期
待資本コストとか、観測困難な「実質」指標をどうやって政策運営に反映させ
るのか、85年頃を境にマネーサプライを軽視するようになってから、まこと
に心許ない状況が続いているように思えるんですが・・・。
71 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 09:05
B&B論文を読もうと思っているうちに、話がどんどん展開していく…
乗り遅れないうちに、私も考えを書き込みさせてください。

>>地価が大都市圏(というか結局都内)でしか、高騰しなかった

素直に考えれば、都市部への土地投資なら、収益が見込めると思って
いたからでしょう。地方の水田を買って、輸入自由化されないコメを
生産するより、都内で水商売でもやる方が利益が大きいと予想していた
ってことでしょうね。

>>「外的ショックが金融システムを媒介して増幅されるメカニズム」

強気だった原因として、
1)地価は絶対に上がると予想していた。
2)地価が下がったとしても、損は少ないと思っていた。
(土地って、変な資産でしょう。そのころも含み益とか言われていたわけで、
保有税のように保有にコストのかかる税制だったら、ここまで増幅されなかった。)
3)たとえ、損をしても、銀行がつぶれたりするとは思っていなかった。
(やっぱり、モラル・ハザードか…)

でしょうかねえ。

ただ、ぼけ老人さんのいう、銀行の行動の不可解さってありますね。
高度成長期以来、銀行の競争といえば量的拡大だったわけです。
シェアを大きくするのが(長期的視野からして)最適だと思われて
いたんです。(それは、金利が規制されていれば、大きい方が
利益も大きいかったからなんですが。)実際、店舗をひたすら
たくさん作っていたいましたよね。その習慣づけられた行動パターン
をバブル期にも繰り返していたという可能性はありますね。
72 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/29(Tue) 16:27
バブル発生に関してもう一つ付け加えるならば(90年代について
はMLでね^^),80年代の金融自由化にしたがって,大企業を中心
とした優良企業がしだいに直接金融への切り替えを進めた点にも
注目しておく必要があるでしょう.

優良な貸し手を失った銀行は,あらたな貸出先として,上場未満の
企業を狙わざるをえなくなってしまった.その際に,「これからは安
全な貸出ばかりではない,審査能力を上げる必要がある」という方
向ではなく,「安全でない貸出先からは,土地を担保に取ることでソ
ンするのを防ごう」になっちゃったわけですね.こう考えると高度成
長後の銀行業自体が本来の意味で「金融」をやっていたのかさえ疑い
たくなる.

復興期・高度成長初期の銀行の貸出行動は,あれだけ規制されていた
だろうに,かなり冒険的ですし,(当時の)これから伸びる会社を必
死に選別して貸出していたように思います(東海のトヨタへの貸出
とかですね)……いつごろから銀行は審査能力ではなく,量的拡大だ
けを中心に行動するようになったのだろうか?ドラエモンさんご存
知ありませんか?
73 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 17:05
>72
基本的には、高度成長期が終わって毎年数十%の設備投資の伸びなどが生じな
くなった時点で、伝統的な日本の金融機関は逝ってたんです。その理由はすり
らんか氏の指摘通り。
74 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/29(Tue) 17:32
>70:ドラエモン氏
地価の件はおっしゃる通りだと思います。
それにしても地価についてはロクな統計がないので苦労しますなあ。

私が言う「増幅回路」というのは、つい2年ほど前まで、
国内でも取り上げるレポートが多かった(裏白書や開銀設備投資研等)、
'financial accelerator'の理論です(B&B論文もこの範疇と言えます)。
理論的なフレームワークはバブル生成から崩壊後の日本経済の現実を
説明するのに非常に魅力的ですが、実証はそれほど上手く行っていません。
ここには詳しい方もおるでしょう。

ところで。
「ヴィクセル→実質金利→マネー」というのはちょっとピンと来ませんねえ。
差し支えない範囲でちょっと詳しく説明してもらえませんか?
因みに金融政策の操作変数の件はMんぷす氏と私が、
(吉川先生の著作に沿いつつ?)別スレでごちゃごちゃ書いてみましたが・・。
75 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 17:41
>74
特に難しい話ではないと思うので、そう訊かれると不安になる・・・
一定の名目金利で無限弾力的なマネタりーべース供給曲線を持っている経済
がウィクセルのモデルでしょう。すると、インフレ起こると実質金利下がっ
てさらに貨幣需要増えて景気も良くなって・・・というのが累積過程ですよ
ね?

テーラールールみたいなのでアメリカのFFレートがうまく説明出来ると言
うことは、マネタりーべースの供給曲線はある程度の期間をとれば結局は実
質金利ターゲッティングと同じになり、累積過程は生じないわけです。です
が日銀みたいに「総合判断でシフトする」水平なマネタりーベース供給曲線
は、累積過程引き起こす可能性があるんじゃないでしょうか?(なんか、不
安になってくるな)
76 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/29(Tue) 17:43
>71、72
バブル期の銀行行動で特筆すべき点はお二人の発言で付け加えるところはないと思いますなあ。
私も同じく、
「借手企業の収益力の審査より不動産担保を頼り切って量的拡大を志向した」
コトがその後の金融システム不安と実体経済の不振を招いた原因だと思っとります。
クレジットサイクルの理論からみても、こういった構造の貸出市場はネガティブな
financial accelerator機能を活性化させる効果があります。
この辺を包括的にリサーチせんとイカンのですがねえ。

ただ銀行が倫理的に間違っていたという批判をしておるわけではないと言うことを、
誤解を招くといけませんので付け加えたりしてみます(苦笑)。
そういったことはエコノミストの仕事の範疇を超えとるわけです。
77 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/29(Tue) 17:57
>75
あぁ、なるほど分かりました。
そのメカニズムは「何たら効果」とか名前がついとりましたな。
ううむ、忘れました(笑)。もう駄目ですな。
その全く逆方向のメカニズムがデフレ・スパイラルを引き起こす原因として
よく言われとりますなあ。実質金利がどんどん上がってしまうと言う奴です。

さて。日銀がLM曲線を横に寝かせているとすれば(100%金利アコモデート)、
ご指摘の危険はごもっともです。
これに対しては二点言及すべきことがありますな。
(1)前にも述べましたが日銀は100%金利平準化しているわけではなく、
 マネーその他の指標もみておるわけで、いわゆる「裁量」政策である以上、
 水平な貨幣供給曲線とまでは言えんということです。
(2)William Pooleの70年代の論文はご記憶にありますかな?
 水平な貨幣供給曲線はリアルな需要ショックに対しては、
 「累積過程」を引き起こす「愚の骨頂」政策ですが、金融市場への撹乱に対しては、
 有効な安定化政策と言うことが出来ます(かなり単純化してますが)。

つまりです。
「『結果として』はマネーは意外に大事だった!」ということが言えると思いますが、
経済の状況によって常にそうとは限らないということです。病状によって薬が変わるように、
効果的な操作変数も経済の病状次第というわけですな。
78 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 18:31
>77
その通りです。95年に住専問題が起こって以降のマネタりーべース供給量
の急増は、まさに金融的攪乱に対して受動的金融調節が有効だった証明です。
(それでも金融システム危機は回避できなかった訳ですが)というより、今
の日銀のDNAには、旧日銀法というか幼児体験的すり込みというか、30
年代の金融恐慌対応策が埋め込まれていて、景気が良いときは酷い不安定化
要因になる可能性を孕みつつ、こういう事態には思ったよりうまく対応でき
たと言うべきでしょう。
79 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 18:47
>72,76
高度成長期は、資金が元々少なかったし、企業の成長力も
あったので、優良な借り手を選ぶ審査能力さえあれば
良かったのでしょう。まあ、いってみれば、殿様商売ですな。
しかし、バブル期は、不良な借り手を排除できるような
審査能力が必要で、また、以前のように「貸してやる」
から「借りて下さい」と態度を変えねばならなかったから、
不良な借り手を排除しにくかったんでしょうね。

たぶん、正解は、おとなしく外債にでも投資しておけば
良かったっていうことなんでしょう。まあ、あまり
冒険せずに深い痛手を負わなかった銀行もあったよう
ですけどね。

あと、合理的に意思決定せずに、過去の習慣にとらわれて
決定してしまうっていう話は、ゲーム論か何かで
ありませんでしたっけ?
80 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 19:03
>79
>たぶん、正解は、おとなしく外債にでも投資しておけば
>良かったっていうことなんでしょう。
そうは問屋が卸さなかったのが経常収支黒字問題。国内過剰貯蓄を経常黒字
でも財政赤字でも吸収できない以上、ああなっちゃったわけです。
81 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 19:19
>80
えーっと、私、厨房なんで、もしよろしかったら
ご説明していただけませんか?
まず、経常収支と資本収支は違うものですよね?
82 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 19:28
裏返し。単純化して言えば、経常収支=対外投資。
83 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 19:31
それで、民間企業が日本の経常収支を気にして
行動しないといけないのですか?

日本の貿易黒字が大きいから自主規制せよって
いっているのと同じような気がしますけど?

私の論理間違っていますか?
84 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 19:38
そうじゃなくて、経常収支と同じ額しかネットでは対外投資できないという
こと。その経常黒字に制限無ければ、国内改革もなんもせんで、資本輸出国
として食っていく道はなかったわけではない。しかし、国内企業の選別もで
きなかった日本の金融機関が外国でうまく投資先を見つけられたかおおいに
疑問でしょ。実際、世界中でゴルフ場・ホテル・ビルなど買いまくって、そ
のあげく失敗して安値で叩き売ってきてるからね。
85 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 19:40
それと、経常収支が黒字だとかうるさく言う人たちは、
たぶん、ドラエモンさんのように対外投資が原因だとか
いわずに、輸出の自主規制をしろとか目先のことだけを
いいますよね。
86 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 19:43
>84
だから、外債っていっているじゃない。
安定的な米国債とかを指しているのであって、
直接投資じゃないですよ。

確か、外債投資って一時期為替差損が出たとかいってたけど、
結局、儲かっていたじゃなかったでしたっけ?
(この辺は、うろ覚えなんで、責任とれませんが)
87 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 19:53
>85
質問の趣旨がよくわかりません。僕は、資本収支が経常収支の原因とは言って
ない。ただ、政治的に経常収支黒字幅が制約されると、内需拡大しないとバラ
ンスしない。消費拡大できれば良かったんだが、消費税なんか導入しようとし
てたくらいだからこれは無理。そうなると、住宅投資か設備投資。どっちも当
時の資本市場の状態から言って、銀行融資。ところが規制緩和しなかったから
ホントは収益機会あんまりなかった。それなのに、日銀も大蔵省も銀行のケツ
を叩きまくって融資を拡大させた。その結果が、この有り様ということです。
88 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 20:02
>87

>日銀も大蔵省も銀行のケツを叩きまくって融資を拡大させた。

ってことが実際にできたのかってことでしょう。
現実にできたのかどうかは知らないけれど、それって
不自然じゃないかってことです。

できたとすれば、バブルの原因は国内での融資拡大を
銀行に押しつけた大蔵と日銀ってことになりますよね。
89 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/29(Tue) 20:06
まあ、直接にはそう言っても過言ではないと思いますよ。もちろん、それが
可能になった客観的条件というのは良く吟味しなけりゃならないけど。
90 :こてはん29[こてはん29]:2000/08/29(Tue) 20:28
>直接にはそう言っても過言ではないと思いますよ。

そうですか。
ドラエモンさんの仰っていることがようやく理解できました。

内需拡大の大義の前には、大蔵や日銀が、銀行に対して、
外債投資でなく、国内での融資拡大を強制することが
できた(していた)と仮定しているということですね。

そして、おそらくその強制の手段は、行政指導かもしくは
マスコミを使って圧力をかけるといった手段なんでしょうね。
(83でいってることの繰り返しですけど。)
私は、にわかには信じがたい部分もあるのですが、
おそるべし、日本型経済システムといったところでしょうか。

それと、
>可能になった客観的条件というのは良く吟味しなけりゃならないけど。

となると、銀行に対して上記のような政策がとれた条件を
吟味しないと、確かにバブルの原因をみるには不十分という
ことになりますね。
91 :すりらんか[すりらんか]:2000/08/29(Tue) 23:29
このスレあまりにも回転が早くてついていけてないんですが,

内需拡大を錦の御旗のようにかかげて全ての政策を行っていた
ことがバブルの要因という考え方には,かなりシンパシーがあ
ります.しかもそのせいで,あれだけの好況にも関わらず,た
いした財政再建も達成できなかった…….そして,何とか設備
投資をあおるために国内リゾート開発というちょっと考えれば
無駄だと分かりそうなものを90年代のリーディングセクターと
して大いに持ち上げていた.その結果として,バブルがあるの
ではないでしょうか?こう考えると,政策効果の「煽り」効果
そして「エコノミスト」様の意見は以外と大きい影響力がある
と思うのです.

ネットの対外投資が経常収支と同じになるというのは,SNA
の恒等式ですよね.では,どっちがどっちの原因なのでしょう
か.最終的には国内の莫大な貯蓄超過と言うことになりますが,
これが生まれたのはなぜでしょう?ライフサイクル説に従うな
らば,団塊の世代の老後に向けての貯蓄と言うことになる(疑
わしいとおもってますが).すると,そうして形成された資産
が目減りすると言うことは,その世代の消費を大いに締め付け
ることになりますね.いわゆる逆資産効果による消費不況って
やつです.しかし,この逆資産効果説は97年を除くと実証的に
ほとんど妥当しない.この一連の(良く聞く)話のどこに間違
いがあるのでしょうか?

何か支離滅裂だけどこんなとこかな.
92 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/30(Wed) 02:36
まずドラエモン氏初め皆さんが主張する「内需拡大の錦の御旗」がバブルの一因だった
ことに異論ないですが、それだけではなんの説明にならんと思うのは私だけですかな。
内需拡大策ならば92~93年の経常収支拡大期や、95、96年あたりにも「超」大型の
経済対策が実行されとるわけです。住宅投資に対する税制優遇や法人税率の引き下げ
などなどありましたしねえ。
内需拡大策はバブルの必要条件かもしれないが十分条件とは言えんということですな。

大蔵・日銀の責任はもちろん大きいと思いますが、バブル期の銀行貸出がおかしくなった
要因としては、大企業の直接金融へのシフトの方が大きかった気がしますなあ
(この点はすりらんか氏に全くもって賛成ということになります)。
ま、しかし大蔵官僚なんてモノは中谷マクロ一冊読んだだけの法学部生が
「俺が日本経済を変えてやる!」てな鼻息で入省してくるのが大多数なところなので、
恒常的かつ絶望的に経済音痴なのが伝統ですけどね(笑)。

ところですりらんか氏他みなさんに質問です。
私は今、生データが手に入りにくい環境におるのですが(休暇中みたいなモノですな)、
日本のISバランスはバブル期より、バブル以後の方が貯蓄超過だったのではなかったでしたかね?
記憶違いだったら失礼。
ちょっとこの点を確認してから、すりらんか氏の逆資産効果の件について後で書いてみます。
93 :先公[先公]:2000/08/30(Wed) 03:48
そーか・そーか。悪代官と因業地主がカネ儲けようとして民百姓を踊らせた、とか、
物質的に豊かになったが精神的に貧しくなった日本人の意地汚さが露呈した、
というほど単純な話ではないんですね。
                   *注・無視してください
94 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/30(Wed) 10:48
>92
少々議論を単純化し過ぎたため老師のお叱りを受けてしまったようですね。
弁解じゃないですけど、こてはん92さんの「米国債買ってれば不良債権
問題避けられた」という議論に反論してるうちに少々論点がずれてしまっ
た。言うまでもなく、審査能力をあまり必要としない優良貸付先であった
大企業が高度成長の終了で設備投資資金需要を減らし、さらに直接金融に
急激にシフトしたのに、床の間背負って殿様商売の気分が抜けなかった大
銀行が置いてきぼりになり、あわてて中小企業融資にシフトして、審査能
力を担保で代替しようとして失敗したのが80年代後半の物語の金融面で
はあります。それに異論はありません。

貯蓄超過というのは、「民間部門の貯蓄超過」と言う意味ですか?一国だ
と経常収支黒字なわけだから、80年代の方がGNP比では大きかったわ
けで。民間企業についていえば、資金不足のピークは92/3年頃で、貯
蓄超過に転じたのは94年ころでしょう。現在はもの凄い貯蓄超過です。
95 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/30(Wed) 23:58
>ドラエモン氏
これは失礼しました。言い直しますとですね。
日本の「家計部門」の貯蓄率(平均消費性向)の推移はどうなっておったんでしょうか、
と言うことです。ドラエモン氏ならすぐ手許にデータをお持ちかなと思いまして。
すみませんデス。

それから私の発言は全て「ぼけ老人」の戯言ですので、適当に受け流して、
気にせずどんどんカキコして下さい。
96 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 01:05
>75:ぼけ老人殿

今年のSNAの年度計数(制度部門別所得支出勘定)の貯蓄率は下記の通り。
これで見る限り、96年度から98年度に約1%ポイントの貯蓄率上昇があっ
た事になる。相対変化率だと8%弱。超単純(輸入性向も限界税率も無視)
すると、相当の変化とも言えるけど、80年代の自律的な貯蓄性向の低下に
比べるとフーンという感じか?

75 23.1
76 22.3
77 21.7
78 19.6
79 17.4
80 17.9
81 17.9
82 16.1
83 15.8
84 15.8
85 15.8
86 15
87 13.8
88 12.8
89 12.1
90 11.6
91 13
92 13
93 13
94 14
95 13.4
96 12.7
97 13.2
98 13.7
97 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 01:20
>75じゃなく>95でした。こっちが惚けとる・・・
98 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/31(Thu) 02:06
>ドラエモン氏
データをアップしてもらえるとは思いませんでした。
お手数をおかけして申し訳ないです。

まず私がこのデータで言いたかったことはバブル期の貯蓄性向は
高かったわけではないということです。

次に重要な点はSNAベースの平均消費(貯蓄)性向は上昇(下降)トレンドを
持っておるというコトです。これは一般に帰属家賃の扱いを原因とする純粋な
統計作成上のクセであるということが知られとります。
(その証拠としては、確か家計調査ベース(でしたっけ?)ではこのような
トレンドは観察されないはずです。)
そういうわけで下降トレンドを除去して考えますと、バブル期以前は10年ほど
安定しておった我が国(の家計)の貯蓄性向はバブルを境にガクンと上昇しとると
読み取れるわけですな。
平均消費性向から何か意味のある結論を導き出すのは危険なので慎重にならねば
ならんのですが、こう見るとやはりバブル期以降、恒常所得に関する期待が、
大きく下方屈折したのではないかと思ってしまうわけです。
99 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/31(Thu) 02:18
そこで逆資産効果の話しになるわけですが、
金融資産だけをみても実証分析では「消費不況」の説明がつかないというのは、
すりらんか氏の指摘の通りですな。やはり恒常所得と言う以上、
金融資産だけではなく将来労働所得流列の割引現在価値(=人的資産)を
考えんといかん訳です。しかし周知のとおりこれは難しい。
 (1)まず将来の労働所得の代理変数がない(有効求人倍率を使うゴマカシはありますけど)。
 (2)流動性制約があるのでケインズ的消費関数で行動する家計もいる。
という二点が主な原因でしょうかな。
(これらをなんとかクリアした論文もあることはあります。)
結局、すりらんか氏への回答としては、逆資産効果(金融資産)だけではなく、
広く人的資産をコントロールして消費関数を推計すれば、「消費不況」の
説明は上手く出来る可能性は大有りだと言うことです。
その傍証がドラエモン氏ご紹介の平均貯蓄性向の動きというコトですな。
100 :ぼけ老人@プロは読まないでくだされ。[ぼけ老人]:2000/08/31(Thu) 05:33
99はちょっと分かり難いかも知れませんなあ。
ドラエモン氏だけが読み手ではないでしょうし、あまり訳の
分からんことばかり言ってもマズいでしょうから、ちと補足の説明を。

まず、消費関数というとケインズ的な所得の一定割合(というか線形)を
消費するというモノを思い浮かべる人も多いと思います。
しかし、これはよく考えるとおかしい。
宝くじで1億円当たってもいつも通りにすぐに9割消費する人はおらんでしょう。
逆に失業した人は所得(ゼロかも?)以上に使うわけです。
つまり消費というのは所得の動きほど変動しない(割合が一定ではない)、
これがいわゆる恒常所得仮説です。

これを理論的に極端に突き詰めると結局、その人が一生かかって稼ぐ
お金の総額(人的資産)を毎日均等に使うことが一番ハッピーということに
なるわけですな。

というわけですので、現在の所得は当分変わらないとしても、
1年後に確実に昇進すると分かれば貯金など止めて消費を増やすでしょう。
逆に来年確実に失業すると思えば(!)今から切りつめて貯えるのが普通です。
となると、貯蓄性向というのは将来の所得総額の期待が現れていると言えるかも知れません。
このような考え方が99の背後にあるロジックです。
(極度に単純化したので突っ込みがある方はどうぞどうぞ)

( 役に立った! | 元スレ )
101 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 09:08
>ぼけ老人殿
うぅーん。確かに僕がペーストした期間について言えばそうなんだけど、一
応利用可能な55年からのデータで見ると、貯蓄性向は60年代の水準に戻っ
ただけで下落トレンドある訳じゃないんだけどなぁ。というより、この間の
貯蓄性向の変化はほぼインフレ率に対応していると言った方が適切なように
思うんだけど。<別にご老体をハメようとしてあの期間のデータ出したわけで
ないのはもちろんです。
102 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 09:11
年度   貯蓄性向
1955 13.1
1956 13.7
1957 11.7
1958 12.0
1959 13.4
1960 14.7
1961 15.3
1962 14.8
1963 15.3
1964 15.4
1965 14.9
1966 14.3
1967 15.5
1968 15.6
1969 16.7
1970 18.5
1971 16.9
1972 17.7
1973 19.8
1974 23.0
103 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 09:13
60年代というより50年代後半の方が適切かな。
104 :先公[先公]:2000/08/31(Thu) 09:56
横レス失礼。
>ドラエモン氏
74~77までの増加傾向はやはりオイルショックの影響と解してよいですか?
以上、1点の御説明を。手短でけっこうです。
105 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/31(Thu) 10:14
.
下降トレンドの件はですね。
私も詳しいことは知らんのですが、この道の専門家(どういう専門?)の
間では有名な話しだそうですので、EPAに知り合いがおられたら、
「平均貯蓄性向のトレンドと帰属家賃の関係」について聞いてみて下さい。
何か分かると思います。いい加減ですみません..。
確か「帰属家賃を貯蓄に含めるとトレンドが消えて、家計調査ベースの
貯蓄性向とほぼ同じ動きになる」というようなことだった気がします。

ところで99の「人的資産⊂恒常所得」の低下と消費不況の関係については、
下降トレンドを別にしてもsurvive出来る話しではあります。
バブル期以降の貯蓄性向の上昇(or下げ止まり?)は消費者の将来に対する
厳しい見通しを反映したものだと言えるのではないかということですな。

一方、人的資産ではなく金融資産の目減りが重い足枷になったのは家計ではなくて、
企業部門でした。これが世に言うバランス・シート問題ですな。
106 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 12:47
>105
帰属家賃の受け取りと支払いを所得・消費から控除すべきだというのは、かの
景気探偵赤羽隆夫大先生の年来の主張。だけど、恒常所得仮説を議論している
ときに帰属家賃控除はないんじゃない?フリードマン先生の議論の趣旨から言
えば、逆に耐久消費財の帰属サービスを消費にカウントして、耐久消費財への
支出は「投資」として扱うべきなんでないかな?
107 :ぼけ老人[ぼけ老人]:2000/08/31(Thu) 14:02
>帰属家賃の受け取りと支払いを所得・消費から・・・

そうなのですか。いや、それは知りませんでした。なるほどなるほど。
帰属家賃の扱いについてのご説も、instantaneousな効用関数という
視点からおっしゃる意味はよく分かります。
ただ帰属家賃の変動というのはは70年代以降、一貫して拡大するだけのわりと
単調な動きをしているそうで、消費性向の趨勢的な動きを見る時には除去して考える
ということが、しばしば行われとるようです。

一方、105でも書きましたがトレンドの有無は別としても貯蓄性向は、
バブル期以降、キンクして下げどまっておるわけで、依然として恒常所得仮説を援用した
「消費不況」に対する説明仮説は有効であると思いますがどうですかな。
(キンクの原因が帰属家賃の変動であれば話しは別ですが・・)
少子化や年金問題、財政赤字、リストラ等々の先行き不安が恒常所得の減少として、
バブル期以降の貯蓄性向を押し上げとるように思えてならんのですよ。
また年功序列と終身雇用制の崩壊が「所得変動」の分散を上昇させ、「予備的貯蓄
(precautionary saving)」を喚起した可能性も統計的にチラホラ出てきとります。

これは「不況の説明要因」の一つですのでMLで議論がされとるのかもしれませんな。
108 :skeptic:2000/08/31(Thu) 14:52
日本人の平均貯蓄額は約1500万円ですが、約70%の世帯がこの平均額以下の
貯蓄額しかない。貯蓄額の中央値は400万円前後で、世帯全体の約3割が1500万円
以上の貯蓄がある。つまり、金の所在がかなり偏っている。

それで、金持ちの大半が消費がそれほどアクティブではない老人なうえ、
この金持ちにかなりの額の年金が給付される一方で金のない世代が社会保障費を支払っている。

要するに、本来消費がアクティブな層に金がなくて、消費がそれほどアクティブでない層に
金が有り余っているのが需要不足が慢性的に続いている要因ではないですか?
これから、団塊の世代が老後に向けて金を貯め出すので、貯蓄性向がさらに高まると思いますが。
109 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/08/31(Thu) 18:32
>108
確かにその傾向は否めない。だが、バブルの最中、土地や株をうっぱらった
人がもの凄い額の金融資産を保有しているのも事実だろう。あの時代に、バ
ブルに踊らなかったのは偉いが、皮肉な見方をすればリスク回避の傾向の強
い人々とも言えるだろう。

金持ちの場合、消費より、リスク投資に出てきてくれるかどうかが重要だと
思う。
110 :すりらんか[すりらんか]:2000/09/01(Fri) 12:58
>少子化や年金問題、財政赤字、リストラ等々の先行き不安が恒常所得
>の減少として、
期待所得水準の減少なのか,次の論点のリスクの拡大なのかは議論が
分かれるところなんでしょうが,

>また年功序列と終身雇用制の崩壊が「所得変動」の分散を上昇させ、
>「予備的貯蓄(precautionary saving)」を喚起した
JJIEに去年のってましたね.さらに消費を減らしているのが,所得階
層の真中位の人たちだと言うのも重要な傍証でしょう.第1・第5で
はそれほどの変化はない.そう考えると108さんの話は本当に説得的
なのか疑問です.

ちなみに,経済の理論専攻の人にとっては「老人のほうが消費性向が
高い」という議論のほうになじみがあると思います.では,日本の老
人がさらに貯蓄に励むと言うのは,どういう理屈なんでしょうか…と
よく疑問に感じます.
111 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/01(Fri) 13:18
今議論になってることとは、ちょっとずれるんですが、将来所得の増加率の
低下が恒常所得下げて、経常所得に対する消費性向を下げるというのは、経
常所得と恒常所得のギャップがシステマティックに大きい期間だけ生じる一
時的な現象なんじゃないでしょうか?早晩、経常所得の期待値が恒常所得に
なって、観測される消費性向はもとに戻るということじゃないのかな?

なぜこんなこと言うかというと、74年ころの貯蓄性向の上昇を恒常所得の
低下に求める見解では、その後の貯蓄性向の低下があれほど長い期間かかっ
たことを説明できないと思うからです。もちろん、ぼけ老人氏のいうように
貯蓄性向の変化をトレンドからの乖離で測ればそんなことないんですが。だ
から、その操作というかフィルタリングに疑問を感じるんだけど・・・。
112 :こてはん29[こてはん29]:2000/09/01(Fri) 13:22
108さんは、さすがに、
>日本の老人がさらに貯蓄に励む
とまではいっておられないのではないでしょうか。
20代と50代、消費性向が高いのはどちらなん
でしょうか?実証研究とか出ていますかね?

まあ、高齢者の方が個人資産が多いし、高齢者の割合が
増えているということはいえるでしょうが。

半分冗談ですが、金持ちの年寄りの個人資産は、亡くなった
ときに高率の相続税で国庫に入るから、財政赤字ともども、
それほど心配する必要はないのだという説も聞いたことが
あります。(笑)
113 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/01(Fri) 13:53
>こてはん29さん
>半分冗談ですが、金持ちの年寄りの個人資産は、亡くなった
>ときに高率の相続税で国庫に入るから、財政赤字ともども、
>それほど心配する必要はないのだという説も聞いたことが
>あります。(笑)
冗談じゃないでしょ。結構マジなんじゃないですか?今の郵貯大量満期だって
もの凄い税収の増加になりますからね(金利にかかる税は満期/解約時に税収
になるから)。
114 :すりらんか[すりらんか]:2000/09/01(Fri) 15:25
>20代と50代、消費性向が高いのはどちらなん
>でしょうか?実証研究とか出ていますかね?

実証って言うより,そういう調査があるかどうかですね.
家計調査だと,単身世帯を調査していないため,20代
の人(というより20代の人が世帯主の家計)は非常に
少ないでしょうから,データとして当てに何ないなぁ.
115 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/01(Fri) 15:55
>すりらんか
単身世帯調査あるよ。
116 :すりらんか[すりらんか]:2000/09/02(Sat) 00:42
そういやそうでした.

ところで,日本の貯蓄率って家計調査ベースとGDPベースで
動向が異なるって話しは最近どうなってるんですか??
117 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/02(Sat) 01:09
かわりません。これは、ぼけ老人氏とも議論したのですが、帰属家賃の受払をどう
するのかが恐らく最も重要な相違の原因であると思われます。これを強く主張して
いる赤羽隆夫氏の要求で、国民経済計算年報でもこれらの項目を家計の所得・支出
勘定に明記するようになっています。

ですが、消費関数の理論を、別のスレで皆さんの爆撃にあっている流動性仮説で説
明するなら金銭授受を伴わない帰属家賃を無視しても良いですが、まっとうな恒常
所得仮説で説明するなら、無視できない筈です。それどころか、耐久消費財の帰属
サービスまで計算し、消費支出系列自体を再計算する必要すらあります。
118 :名無しさん@超合金:2000/09/14(Thu) 07:06
バブル景気とは将棋で言えば、
歩を動かすことを怠って
飛車角銀桂ばかりに頼ろうとしていた時代だったのではないでしょうか?

歩の無い将棋は負け将棋
歩越し銀のおそはや(遅速)
と金のおそはや
桂馬の高飛び歩の餌食
という格言が将棋にあります。
http://union-jp.net/home/ysngmilk.html
119 :名無しさん@超合金:2000/09/14(Thu) 16:06
おまえウザイよ
120 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/21(Thu) 09:32
118氏は、スレッド2本も立て、レスも書いて活躍中ですね。

まあ、気持は分からないでもない。こういう人の常識は「バブルは銀行屋や役人
という悪者が引き起こしただけだ。なのに、なにを小難しい理屈こねて議論なん
かしてんだ。」ってなもんでしょう?

ここは、そのての変人の集まりですから、ほっといてください。バイバイ。
121 :名無しさん@敬老した?:2000/09/21(Thu) 13:13
age
122 :先公[先公]:2000/09/21(Thu) 21:40
>118氏
その変人の集まりで勉強させていただいてる素人です。
バイバイ。
それと、
>age荒らしの君
意味わかりません。ここはたとえいったん沈んでも、誰かが意義を見いだして
レスが再開されれば自然と盛り上がるよ。
123 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/09/21(Thu) 21:44
すんません。118の残骸整理してました。
124 :先公[先公]:2000/09/21(Thu) 21:52
あ・なるほど
125 :ドラエモン[ドラエモン]:2000/10/10(Tue) 18:29
>ぼけ老人氏

>>60 あたりで書いていた「土地と補完関係にある設備投資の拡大」という話、
吉川さんの「転換期」P66に発見。
126 :芋焼酎:2004/05/18(Tue) 20:33
失礼します。今少し横道にそれているので僕でも書き込めるかなと思って書
いてみました。バブル景気の背景は、高校生ぐらいのレベルですが、①プラ
ザ合意後の内需拡大と超低金利政策②80年代の、地価は下がらないという
一貫した「土地神話」③国際収支は黒字が続いていていたこと、という3つ
をあげるのはバランスが悪いですか。
127 :名無しさんの冒険:2006/06/27(Tue) 14:09
>>126
「今」っていつやねん?
128 :名無しさんの冒険:2006/06/27(Tue) 15:09
♪現在、過去、みらーい、あの人に逢ったなら、私はいつまでも
待ってると、だれか伝えてーーー
まるで喜劇じゃないーのー、一人でいいきになってーーー♪
129 :名無しさんの冒険:2006/06/27(Tue) 20:48
バブルは日銀の窓口指導の結果だな。
詳しくは「円の支配者」という本に書かれているから。
130 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 13:37
オランダのチューリップの時は、
みなが「これはおかしい」「暴落前に売り抜けよう」と思っていたそうです。

17世紀の人間がバブル崩壊を予見できたのに、
20世紀末の日本人は何をしていたんでしょう?
131 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 14:00
みなが売り抜けようと思った時点ではすでに暴落してるはずだろ。アホ?
132 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 15:29
>>131
日本の場合は、思っても観なかったといってるんですよ。アホですか?アホですね。
エコノミストが89年末の「来年の日経平均を予測してください」ときかれ、
マイナス評価だったのは堺屋太一ぐらいだったかと。
133 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 15:42
だから~。堺屋と招き猫は同じムジなというか、同じ出版社を使って発言する
ひとなんだよ。
134 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 17:57
>同じ出版社

どこよ?
135 :名無しさんの冒険:2006/07/15(Sat) 19:13
>>132
日本の80年代末のバブルは、偶然ではなく政府・日銀の協力のもとに意図的に潰された
ので、「思ってもみなかった」という表現は当らない。
136 :名無しさんの冒険:2006/07/16(Sun) 02:09
>>132
「誰が」思っても観なかったのか?
ずれてませんか?
137 :名無しさんの冒険:2006/09/07(Thu) 21:17
日銀は思っていた。
エコノミストは思ってもみなかった。


ところで、日銀って政府から独立した機関でしょ?FRBやブンデスバンクみたいに。
138 :名無しさんの冒険:2006/09/08(Fri) 01:20
135の読解力に辟易